狩猟へ
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「うぅん……あとちょっとだけぇ」
アメリアはベッドの上で猫のように丸まりながら呻くように言う
「ダメですよ!これ以上は流石に待てません」
「えぇ~。もう少しだけぇ」
「はぁ、もうこの手は使いたくなかったんですけど」
アイスはアメリアの体を転がしてベッドから落とした
「いて。もぉ~、荒っぽい起こし方しないでよ」
ドスン、と音を立てた後にアメリアは体をゆっくりと起こす
「それを言うんだったらさっさと起きてください。早く準備しないと迎えが来ちゃいますよ」
「はいはい、まぁなるべく早くするよ」
アメリアは眠気で細くなる目を擦りながら道具をまとめ始める
「先に行ってますからね。早くしてくださいよ」
「しつこいなぁ、何回もしつこくしなくていいよ」
急かされながらもアメリアはいつも通りの準備を進めていく
「おまたせ」
いつものローブに三角帽姿のアメリアが階段を駆け下りてくる
「来ましたね、じゃあ行きますよ。迎えを待たせてるんですから」
「あいあい、分かってるから押さないの」
2人はすでにレインが乗っている馬車に乗り込む
「お待たせ。ごめんね、ウチの師匠がなかなか起きなくて」
アイスが既にウトウトし始めているアメリアの脇を小突く
「良いじゃないのよぉ、間に合ったんだか……」
アメリアは話している途中に限界を迎えて夢の世界に入った
「寝ちゃってるね、まぁいっか。行くよ」
レインが後ろの壁を叩くと鞭の打たれる音と共に馬車が動き始めた
「それで、いまからどこまで行くの?」
「うん、ええと、確かね……あ、思い出した。魔物平原の奥にある〈魔獣之巣〉っていう森だよ」
レインは肩にかけた鞄からメモを取って確認する
「あぁ、あの森。何か嫌な感じがするから入らなかったけど、どんなのがいるの」
「ギルドの目撃報告を読んだところだと、一番目撃されてるのがD級並のハイオーク。二番目はE級のゴブリン、コイツは複数が一気に出てくるから注意ね。で、記録の中で一番強いのはA級超えの強さの魔族らしいね。魔族も大量にいるって」
報告書に目を通すレインはゆっくりと珈琲を口に運ぶ
「珈琲飲みながら言うことじゃないよ、それ。魔物位ならまだしも知能のある魔族は面倒すぎる。師匠は慣れてるから何とかなるけど……僕は初めてだから殺れるかわからない」
アイスが目線を落とすも、レインはアイスの顎を指で上げさせる
「安心しろ、いくら魔族の外観が人間で言葉も話せても所詮は魔物の一種だ。必ず殺れる。それでも殺せない時はこう考えろ『自分が殺らないと誰かが喰われる。誰かを守るために自分は殺る』ってな」
語りかけるレインの冷静な声はアイスの曇りを綺麗にふき取っていく
「アイスが魔族を殺るたびに10人が助かる。貴族としての誇りを持ち、民を護る、そう考えとけ」
アイスが顔を上げ、目に火を入れる
「レイ姉ありがと、僕がんばる」
「おう。大いにがんばれ」
レインは目の前の魔導師の頭を優しくなでる
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