はとぽっぽ
ポッポッポ
鳩は器用に鉛筆を脚で掴んで紙に字を書く
ポッポ
鳩は鉛筆を置いてカウンターに座る
「読めってことですかね」
「じゃないの」
アイスは紙に書いてある字を読む
「アメリア、付け返せ」
ポーッ
「どういうことですか師匠」
「えっとぉ〜」
ポッ
紙には「9万リグ返せ」と書かれている
「何年前のやつですか」
「確かねぇ、14年前くらいだったと思う」
「ほんとですか」
(56年前のもだ)
「らしいですよ」
アイスは紙を見ながら言う
「もう覚えてねーや」
アメリアは開き直って笑う
ポッポォォー!
鳩は怒ってアメリアの頭をつつく
「痛い、痛いよぉ」
ポォォォ
その鳴き声は、舐めたこと言うな!という様に聞こえた
「落ち着いてよぉ、ちゃんと払うから」
ぽっ
鳩はつつくのをやめた
「後で、」
ポォォォ
鳩は再びアメリアを突き始める、しかもさっきより強く
「わかったからぁ、払うからぁ」
ポッポ
よろしい、というように鳩はカウンターにまた座った
ぽっぽ
(それで用はなんだ)
鳩は紙に字を書く
「こいつの杖が欲しい」
アメリアはアイスの頭に手を乗せる
(いいよ、ただし付けは無しだぞ)
「一週間待って」
(だめ)
「お願いしますよー」
(またつつくよ)
「はい、すいません」
(よろしい)
ポッ
鳩は飛んで店の奥に入った
「どっか行っちゃいましたよ」
「いいの、待ってれば来るから」
しばらくすると鳩が杖を持ってきた
ポッポ
(持ってみな)
アイスは杖を握ってみる
「ぴったりです、すごいですね」
ポッポォ
鳩は喜んだ様子で羽を広げる
「おい鳩、これいくら」
(お前の付けと合わせて10万リグ)
「安くして」
(無理)
「お願いします」
(無理、さっさと払え)
「おねがい」
(つつくよ)
「はい、すいませんでした」
アメリアは財布から10万リグを出して鳩に渡した
ぽっぽ
(毎度あり、またこいよ)
「つつかないなら」
(それはお前次第だ、金を払うんならいつでも来い)
「これたら顔出すよ」
「ありがとうございました」
二人は店を出る
「それにしてもこの杖、よく合いますね」
「あの鳩ってそういう眼はすごいからね、ケチだけど」
「それで、お金どうするんですか」
「アレがあるでしょ、金が湧いて出てくる魔法のお札」
そう言いアメリアが懐に手を入れる
「えぇとここら辺に、あれぇ?」
「まさか置いてきたとかありませんよね」
「・・・そのまさか」
二人の間に沈黙が流れる
「どう、します?」
「今の所持金は?」
「だいたい8万リグ」
「これでどれくらい持つ?」
その瞬間アイスの顔が青ざめる
「だいたい・・・2週間」
「やばいね」
「はい、大会までは一応持ちますけど」
「絶っっっ対優勝してよ」
「はい」




