アイスの二次試験とアメリアの酒漁り
今回は酒に関する描写が多いです、ご留意ください。
間違いがあったら指摘をお願いします
キーンコーンカーンコーン
「しゃー昼休みだー」
ラプラスは背伸びをして椅子にもたれかかる
「そういや今日は魔導師試験の日か、今回は何人くらい受かるかなー」
ラプラスはタバコに火をつける
「これより二次試験を開始する!」
試験官は台の上で叫ぶ
「二次試験ではこのコースを飛んでもらう」
指差した先には空中に出来た光のコースがあった
「コースから出ずにタイムをクリアしてゴールした奴は合格だ、自信のある奴から三人ずつ来い」
受験者達は一次試験と違いぞろぞろとコースの前に自信満々に並び次々にスタートして行く
しかしアイスの前の受験者達はコースの難易度を見誤っておりスタート前の自信をへし折られ失格者が増えていく
「次、お前だ、行け」
「はい」
アイスの番が来た
アイスは光のコースを走る、ヘアピンカーブや急降下、ループ、さらにはスラロームもあるコースを軽々と走る
他の受験者達は自分達より幼いアイスが軽々とコースをクリアしていくのを唖然と眺めていた
「ゴール、タイムも規定より速い、合格だ」
アイスは二次試験に合格した
その頃の帝都市場区、酒類専門街
「うーんどれがいいかな」
「どうしましたお客さん?」
「このワインとウィスキーいくら?」
「へぇ合わせて300リグですけど」
「そういえば最近酒がずいぶんと安いわよね?なんで?」
「そりゃあ最近酒蔵が価格競争と大量製造をしまくって軒並み酒が値下がりしてますから、なんなら人気のない酒はタダ同然で売られてますよ」
「ふーん、じゃあその人気のない酒ってどれ?」
「これです、どぶろくって酒なんですけど」
「これなに?初めて見たんだけど」
「なんでも東の果てにある秋津洲っていう巨大な帝国の酒らしい、こっちの人間の口に合わなくて全然売れなかったんだと」
「ふーん、いくら?」
「ワインの瓶3つで50リグです」
「じゃあ、さっきのワインとウィスキー5本ずつとそのどぶろくって酒6本」
「ちょっと値引いて3000リグです」
「はいよ」
「まいどあり」
アメリアは安く酒を仕入れられニコニコだった
「これで98本と、お金はあと7万リグもある、まだまだ買うぞー」
アメリアにはもうすでに変なスイッチがはいっていた
「あ、そうだ安いのなら人気のない酒買ったら良いんじゃん」
アメリアの普段働かない頭がフルに回転する
「そうと決まったら酒屋もっと回るかー!」
「すいませーん安い酒ありますかー」
「なんだい安い酒だって?ここにある酒は全部安いよ」
頑固そうな爺さんが出てきた
「特に安いのは?」
(なんちゅう客じゃ)
店主の老人は心の中で呟いた
「この秋津洲の焼酎と新大陸産のテキーラは安いよ1本10リグだ」
「じゃあ10本ずつ」
「あいよ200リグね、売れ残りのエールも2本つけとくよ」
「あんがとさん」
「これで100本超えたな、もう持ってきた台車は瓶で一杯だし」
アメリアはすれ違う人から白い目で見られていた
「もう帰るか・・・いや、まだ集めよう」
アメリアはまた安い酒がありそうな店を見つける
「酒くださーい」
「はいよ、どんな酒をお求めですかいウチは珍しい酒が多いですよ」
奥からなんとも胡散臭そうな怪しい老婆がきた
「どんなのがあるの」
「例えば毒蛇のエール漬けとか蝙蝠のラム酒漬けとか」
「うへぇ、気持ち悪ぅ」
「まともなのだとコーヒーで作った酒とか薬草の根から作った酒もあります」
「面白い酒とかない?」
「アルコール度が96度の酒があります」
「それいくら?」
「200リグです」
「じゃあそれを2本とさっきのコーヒーのと薬草のを5本ずつ、あと蛇と蝙蝠のを1本ずつ頂戴」
「あわせて5000リグです」
「他より高いのね」
「そりゃあウチは自家製が売りですので、どうぞ今後もごひいきに」
「はいよ」
「よいしょっと、これ以上は落ちそうだから帰ろ」
アメリアは酒瓶が山盛りになった台車を押して宿に帰るのだった
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