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「クックル王からの伝達を承りました」
トリ族サントーリオがヨキたちの元へやって来たのはその日の夕刻であった。
「本日、ドラゴン族の使者が王宮に来訪。降伏するよう要請してきたとのこと」
「降伏?」
「ムシ族を既に制圧済み。次は我が国に侵略予定。降伏を受諾せねば侵略を開始する、と」
「ほう、宣戦布告するとは、なかなか礼儀正しいことだ。悪意がある割には」
「ドラゴン族はそもそも紳士的な種族ですからな。戦闘力の高さを誇りにしておりますし、そういった自負のせいですかな」
サントーリオは羽根の中に資料をしまった。
「どうしますか、ヨキ様?」
ヨキは即答した。
「もちろん迎撃する」
「ですな」とサントーリオも即決だった。
「前情報を頼む」
サントーリオはひとつ咳払いしてから語り出した。
「では僭越ながらわたくしがお教え致しましょう。
ドラゴン族は、全身が鱗に覆われ、尻尾が長いです。緑色か黄土色で角が生えている者もおります」
「……身体的特徴はいいんだよ。能力とか」
「能力ですか。そうですね、空を飛び、火を吐きます」
「そうそう、そういうの。なるほど厄介そうだな」
「まぁ、わたしどもも飛べますけどね」
「競わなくていいんだよ」
「あと、身長は我々より同じか、もしくは小さい者が多いです」
「そうなのか? 大きいイメージだけど」
「大きい者もいます。我が国の王宮は覚えてますか?」
「ああ、王宮だけに結構広かったな」
「はい、あの王宮ほどの者がいます」
「デカッ!」
「失礼、ちょっと盛りました。でもそれくらい大きい者がいます。それがドラゴン族の長イデヨです」
「そんなんに火吹かれたら、ひとたまりもないな」
「元々は温和な性格でしたがね、今はどうなっているやら。ただ昔から酒癖が悪いようで」
「酒癖が悪い?」
「大酒飲みで、常に塒を巻いております」
「ヘビみたいじゃないか」
「ただ大きい分、善意の力を当てるのは容易いかもしれません。長の所まで辿り着くのが大変ですが」
トンディーク国の参謀室に主要メンバーが召集された。
各種族の代表たちが円卓に座り、会議が開かれている。
これからまた熾烈な戦いが待っている。




