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こちらに歩いて来ていたブヒゾウは突然投げられた魔法石を受け取った。
「何ですか、これは?」
「魔法石だ」とヨキが答えた。
「魔法石? あの希少な?」
「そう、力が湧いて来ないか?」
「力が? ……確かにすごいパワーを体から感じますが?」
ブヒゾウは隣にいるブヒタロウを見た。
ブヒタロウは腰を抜かして地面にしゃがみ込んでいる。
「あわわわ……。ブヒゾウが……また……紫に……」
「は?」
ブヒゾウは自分の体を見つめ、ブヒタロウに尋ねた。
「出てるのか、紫のやつ?」
「出てるべ! すっごく出てるべ!」
ブヒタロウは腰に備えた善意の剣を抜いた。
「オ、オイラが……治してやるべ!」
焦るブヒタロウにヨキは慌てて説明した。ブヒタロウは理解しなかったが、ブヒゾウが安全であること、魔法石が戦力として活用できることをなんとなくは納得したようだ。
ブヒゾウは漲る力を手にし、それを確かめている。
「どうだ、ブヒゾウ?」とヨキは尋ねた。
「その力は無敵だぞ。悪意に侵される心配もない。ブヒゾウのために柄の部分を鉄製にした善意の剣を作らせよう。
そうすれば向かうところ敵なしの剣士だ」
ヨキは微笑んだ。
「その力で守りたいものは守れそうか?」
「ヨキ様……」
「そのための道具は揃った。あとはブヒゾウの強い意志だけだ」
ブヒゾウは片膝をついてヨキに頭を下げた。
「はい、もう意志は揺るぎません。必ずやヨキ様とカナ殿、そして……」
ブヒゾウはブヒタロウを見つめた。
「ブヒタロウを守ってみせます!」




