表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第3章 ミャーザ・ワッケンジー国編
89/161

34


ブヒゾウはカナに連れられて城まで歩いていった。大勢のブタ族に囲まれているヨキが2人に気づいた。


「ブヒゾウ、目覚めたか。朝まで眠ってるとは相当疲れてたんだな」


ブヒゾウはヨキの顔をまともに見ることが出来ず、代わりにヨキに腰が折れるほど深く頭を下げた。


「ヨキ様! この度は自分の勝手な行動のせいで、ご迷惑をお掛けしました」


ヨキは笑って返した。


「いいって。別に勝手じゃないし、迷惑も掛けてない」


ブヒゾウはそんなヨキの言葉が胸を叩き、余計に苦しかった。


「どうして……、どうして……誰も責めないのですか……?」


「ん?」


「自分が浅はかに行動したせいで、たくさんの人を巻き込んで、みんな命を落としかねなかったのに、なんで……」


ブヒゾウは歯を食い縛って頭を垂れた。ヨキはそんなブヒゾウの肩に優しく手を添えた。


「一緒に旅をずっとしているんだ。色んな思いが人それぞれ出てくるさ。それを取り除く努力は誰も惜しまないってことさ」


ヨキは自分の手を眺め、もう一度ブヒゾウに触れて力を込めた。


「こうして触れることで、その悩みを(はら)うことが出来ればいいんだけど。生憎(あいにく)僕は悪意しか取り除けない」


「ヨキ様……」


「僕の力もまた大したことないってことさ」


ヨキはブヒゾウに笑いかけた。


「だから旅をすることで、みんなでそういう(しこ)りを解決していこう」


ヨキはブヒゾウの手を握った。


「これからもよろしくな」


ヨキは微笑んでブヒゾウを(たた)えた。ブヒゾウは目に涙を(にじ)ませた。


「はい……」


ヨキは声色を明るくさせた。


「それに……ブヒゾウに文句を言うのはこいつに任せるよ」


ヨキは背中に隠れていたブヒタロウの体を押し出した。ブヒタロウは戸惑いながら前へ出た。


「ブヒタロウ、たくさんブヒゾウのことを叱ってやってくれ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ