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ブヒゾウはカナに連れられて城まで歩いていった。大勢のブタ族に囲まれているヨキが2人に気づいた。
「ブヒゾウ、目覚めたか。朝まで眠ってるとは相当疲れてたんだな」
ブヒゾウはヨキの顔をまともに見ることが出来ず、代わりにヨキに腰が折れるほど深く頭を下げた。
「ヨキ様! この度は自分の勝手な行動のせいで、ご迷惑をお掛けしました」
ヨキは笑って返した。
「いいって。別に勝手じゃないし、迷惑も掛けてない」
ブヒゾウはそんなヨキの言葉が胸を叩き、余計に苦しかった。
「どうして……、どうして……誰も責めないのですか……?」
「ん?」
「自分が浅はかに行動したせいで、たくさんの人を巻き込んで、みんな命を落としかねなかったのに、なんで……」
ブヒゾウは歯を食い縛って頭を垂れた。ヨキはそんなブヒゾウの肩に優しく手を添えた。
「一緒に旅をずっとしているんだ。色んな思いが人それぞれ出てくるさ。それを取り除く努力は誰も惜しまないってことさ」
ヨキは自分の手を眺め、もう一度ブヒゾウに触れて力を込めた。
「こうして触れることで、その悩みを祓うことが出来ればいいんだけど。生憎僕は悪意しか取り除けない」
「ヨキ様……」
「僕の力もまた大したことないってことさ」
ヨキはブヒゾウに笑いかけた。
「だから旅をすることで、みんなでそういう凝りを解決していこう」
ヨキはブヒゾウの手を握った。
「これからもよろしくな」
ヨキは微笑んでブヒゾウを湛えた。ブヒゾウは目に涙を滲ませた。
「はい……」
ヨキは声色を明るくさせた。
「それに……ブヒゾウに文句を言うのはこいつに任せるよ」
ヨキは背中に隠れていたブヒタロウの体を押し出した。ブヒタロウは戸惑いながら前へ出た。
「ブヒタロウ、たくさんブヒゾウのことを叱ってやってくれ」




