表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第3章 ミャーザ・ワッケンジー国編
71/161

16


ヨキに手を添えられ、即座にカナがネコ族に向けて魔法を唱えた。しかしそれをネコ族は瞬時に(かわ)した。


()けられた?」


ヨキも反応の速さに驚く。


「なんて素早い!」


ケージも魔法を放つが、ネコ族はそれも回避する。


「えーっ、速すぎて当たらないんですけどぉ」


ケージは挙げた手をだるそうにゆっくりと下ろした。


「いや、君の場合はイワンニコフ背負ってるからじゃないのか!」


イワンニコフはケージの肩で既にいびきらしき声を立てて寝ている。


「だって置いてくわけにいかないでしょ」


「でも寝てばっかじゃないか!」


「英気を養ってるの!」


いつその英気を使う時があるんだ、とヨキは思いつつ、それは口にしなかった。


「ミャーサ、頼む。善意の剣であいつに触れてくれ」


「分かったミャ」


ミャーサは口に善意の剣を(くわ)え、四本足で追い掛けた。感染したネコ族はくるくると円を描いて逃げまどう。


「待つミャ!」


しかし同じ速さで互いに回っているので追いつかない。


「ケージ、何か魔法はないのか? スローとかストップとか。攻撃魔法じゃないなら使えないか?」


「えー、あるよぉ」


「あるんなら使って!」


「りょ」


ケージはネコ族にスローをかけた。

ネコ族の動きが格段に遅くなった。


「おお、すごい!」


けれどミャーサも遅くなったため、結局追いつけなかった。


「ミャーサにまでかけてどうするんだよ!」


「仕方ないでしょぉ、魔法当たらないんだから、範囲広げて打ったのぉ」


その時、一閃の光が闇を切り裂いた。


ミャーサの咥えていた善意の剣を奪い、それを感染者に素早く打ち込んだ影。


それはブヒタロウであった。

凄腕の侍のように相手を斬り込んで、感染者はパタリと倒れた。


相手がスローだとはいえ、ブヒタロウがそこまで速く動くとは思わなかったヨキ達は唖然とした。


ブヒタロウはキリリとした顔立ちで振り返った。


「さぁ、急ぎましょう」


「あ、ああ……」


口調まで変わり、やたらと勇ましく頼もしい。

ブヒタロウが覚醒したのか?


ブヒタロウは窪へ颯爽(さっそう)と降り立った。

が、着地に失敗し、転んで地面に顔から突っ込んだ。


泥だらけの顔に鼻血が(したた)った。


「い、痛いでげすぅ」


覚醒は、していなかったようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ