13
潮の匂いが近づいてきた。目の前を横切る川が海への道を示してくれる。
下流へ進む度に川は枝流を束ねて、太い幹となった。
ヨキ達が進むその先に、倒れているネコ族の姿があった。ブヒゾウが対峙して、善意の剣で悪意を取り払ったようだ。
ちゃんと剣の効果は出ている。ネコ族は気絶しているだけで外傷はない。
ブヒゾウが剣を振るっている姿をヨキは想像した。
「ひとりでやるなと言ったのに……」
そう呟くヨキに、カナは庇うように言った。
「急に襲われたのかもしれないよ」
ヨキはそれでも楽観しなかった。
「先走らなければいいけど」
川沿いに倒れているネコ族は1人ではなかった。進む度にあちらこちらと点在している。
ヨキはブヒゾウが気掛かりであった。
倒れていたネコ族たちは延べ13人に達していた。ミャーサが介抱してあげ、正気を取り戻したネコ族たちは元気に跳ね回った。
「ありがとうニャ」
「元に戻ったミャ」
「あのブタちゃん、闘志が漲ってたミャ」
「あの剣なんニャ」
「後ろからやられたニャ」
「ビックリしたミャ」
「我々も一緒に行くミャ」
「みんな加勢するニャ」
「ゴロニャ」
「ミャーミャー」
一気にやかましくなった。
そして「ミャー」なのか「ニャー」なのかどっちかに統一してほしいとヨキは思った。
「やっぱ面倒くさいニャ」
「眠いから寝るミャ」
「ダルいニャ」
気がつくと、既に6人しかこの場にいなかった。
「ホント……気まぐれな種族だ……」
ため息をつくヨキのもとに空からサントーリオが叫んだ。
「ヨキ様!」
サントーリオは急降下してヨキの前に降り立った。
「大変です、ヨキ様! 何が大変かと申しますと……」
サントーリオは息を切らながら嘴を動かした。
「ブヒゾウ殿が連れ去られました!」
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