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「オイラが初めてシカを仕留めた記念で作ったでげす。つやつやしてキレイでげすよね」
「ブヒタロウがシカを?」
「あ! オイラには無理って思ったでげすね? オイラだってそれくらい出来るんだすよ! …………ブヒゾウに手伝ってもらったけど」
森でブヒゾウとブヒタロウがシカを追い掛けている姿を想像すると顔が綻ぶ。
きっとブヒゾウが仕切って、ブヒタロウはドタバタとシカを追っては逃げられてを繰り返したのだろう。
「それでこのナイフを作ったのか」
「はい。オイラ、力が弱くて、ブヒゾウのような鉄製のナイフは振り回せないんでげす。だからシカの骨で作ったでげす」
ブヒタロウの言葉にヨキは口を緩ませた。
「ヨキ様、ひどいでげすよ、笑うなんて!」
怒るブヒタロウにヨキは首を振った。
「違うよ。微笑ましく思ったんだよ。ブヒゾウとはずっと仲良いんだな」
ブヒタロウは表情を輝かせて頷いた。
「はい! ずっと一緒にいるです。腐れ縁っていうやつでがす!」
初めて出会った時からいいコンビだとヨキは思っていた。一緒に旅をしていてもそれは伝わってくる。
ヨキはナイフを見回した。
「ちょっとこれ、貸してくれないか?」
ブヒタロウは快く承諾した。
「いいでげすよ」




