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その日からブヒタロウは魔法の練習を始めた。
ただ……
「ヨキ様ぁ! 火が出ないでげすよぉ!」
日がどっぷりと暮れても、ブヒタロウから炎が出ない。
「ちゃんとケージに習ったのか?」
「習ったでげすよぉ。でも出ないんでがすって。あ、出た!」
ブヒタロウは自らの手を見ながら喜んだ。
「出た! ヨキ様、見てくださいです、出ましたでがす!」
ヨキが確認すると、ブヒタロウの手から、じんわりほんのり炎が浮かんでいる。
夜の帳の中で、心が洗われるような温かい炎。
「火って癒されるなぁ。…………って、リラックスさせてどうするんだよ!」
「え、これじゃダメでげすか?」
「もっと激しい炎を出せたじゃないか!」
「これも炎は炎でげすよ?」
「やり直し!」
「そんなぁ! ヨキ様、腹が減ったでげすよぉ!」
前国王ホロッホの葬儀が全国民の参列によって行われ、彼の偉大な功績を讃え、死を悼んだ。
そして改めてクルック王子が王位継承することを国民の前で発表。
国民は幼き王に歓声と期待を投げ掛けた。
ヨキはその光景を見つめ、ひとつの王国を救ったことに嬉しさが込み上げていた。
「で、あるからして……」
ただ、式典を執り仕切るサントーリオの話は相変わらず長いなぁと、拍手を送りながら思った。
(第2章 トンディーク国編 完)
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