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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第2章 トンディーク編
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24


「カナ!」


カナはトリ族の背中の上で(うつぶ)せに倒れ込んでいる。


背負ったサントリーオ(次男)がカナの様子をうかがった。


「おそらく過度な疲労によるものですな。しばらく休めば回復するでしょう」


ヨキは安堵(あんど)しながらも、カナを酷使してしまったことを反省した。


「魔法は生命エネルギーだってことを分かっていたのに、カナに頼りすぎた」


カナを背負ったサントリーオ(次男)にヨキは指示した。


「カナを安全なところへ運んで休ませてくれ」


(かしこ)まりました!」


サントリーオは丘の(すそ)あたりへ猛スピードで飛んでいった。


ヨキは上空を旋回しながらゴーレムをうかがう。


「どうしましょう。カナ様がおられないとなると、なかなか手強い相手ですな」


ヨキは思考を(めぐ)らせ、決断の一手を打ち出した。


「あのデカブツの背後をとってくれ」


「まさか」

サントーリオはヨキの考えを察した。


「直接触れる」


サントーリオは体勢をブレさせた。

「危険ですぞ! もし攻撃されたら、ひとたまりもない!」


ヨキを思い留まらせようとしたサントーリオだったが、それでもヨキの決意は揺るがなかった。


「触れてしまえばあいつも無効化できる」


「しかし触れるのが難儀ですぞ」


「それでもやるしかない。考えてる暇はないぞ」


サントーリオはしばらく黙り込んだが、渋々ながらヨキの熱意に折れた。


「……分かりました。あなたもなかなか無茶なお方ですな」


ヨキは自嘲するように笑った。

「世界から悪意をなくそうとしてるんだ。無茶は承知の上さ」


ヨキに触発されて、サントーリオの顔つきも引き締まる。


「わたくしも王宮騎士団の(はし)くれ。掛け合いだけではないことを証明してみせましょう! 掛け合いは世界一ですけど」


サントーリオは翼を畳んで体を細めた。


「しっかり(つか)まっていてください!」


サントーリオは加速し、ゴーレムの頭上へ急降下した。そしてゴーレムの正面で止まった。


ゴーレムは目の前のサントーリオに気付き、拳を振り下ろす。


それをサントーリオは俊敏に(かわ)した。ゴーレムの拳が地面を叩く。砂煙が舞い上がる。

その隙を狙ってサントリーオはゴーレムの背後をついた。


「今です! ヨキ達!」


ヨキは合図を受けて、サントーリオの背中から飛んだ。


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