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「なっ……」
ケージは起きた状況に驚愕した。
「何が起こった?」
ヨキがほくそ笑んだ。
「さて、なんででしょう?」
ヨキはケージを睨み付ける。
「お前がホロッホ国王に悪意を感染させた張本人か?」
今度はケージが冷ややかに笑う。
「だからどうした? 素晴らしい世界ではないか。殺し合い、強い者だけが生き残る。本来、生物とはそういうものだ」
ヨキは鼻で笑い返す。
「荒唐無稽な理論だな。悪意は自然界に元からあるものじゃない。誰かが植え付ける余計な添加物だ」
「ふっ、お前こそ戯れ言を。あの者たちも悪意に侵されていたほうが幸せだったろうに」
正気に戻ったトリ族たちは、未だに丘の下から迫り来る悪意の者たちの群れになす術なく、たじろいでいる。
「もう一度快楽を与えよう」
ケージは両手のひらに黒い塊を作り上げ、それを掴んで投げた。
ヨキはそれの前に立ちはだかり、体で受け止めた。塊はヨキの体に触れて消滅した。
ケージは目を見張った。
「その能力は……」
ヨキは拳を固め、ケージを睨んだ。
「もしこの世界が悪意を望んでいるのなら、僕にこんな力は発動しない」
ヨキは力を込めて叫んだ。
「この世界は悪意を消したがっている!」
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