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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第2章 トンディーク編
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14


都へ向かう途中で、感染したトリ族たちを見つけてはヨキの力で悪意を(はら)っていった。


滑空しながらヨキはカナに近づき、そのまま地上付近まで高度を下げて魔法を放つ。

向こうから攻めてきたら好都合で、魔法が当てやすい。


トリ族たちは正気に戻り、トリトリオ三兄弟の説明のもと仲間としてヨキ達に追随した。


都付近に到達する頃には100人ほどのトリ族が新たに仲間として加わり、ヨキ達は既に大所帯(おおじょたい)を成していた。


100人以上の群れが一斉に空を飛び、羽音が空を覆い、地上に大きな影を走らせた。


「よし、これだけいればしばらく時間は稼げるだろう。電波塔へ向かうぞ」


ヨキの掛け声と共に、一行は都の西へと矢の如く飛んでいった。





都に近づくにつれ、地上には紫の者たちの密度が濃くなった。家屋の屋根は見えるが、道は(うごめ)く紫に埋め尽くされ、元々紫色の土地なのではないかと思わせるほど禍々(まがまが)しい光景だった。


都とは名ばかりで、荒れた土地に(おびただ)しい人間が群がっている毒沼のようである。


それはトリ族だけではなく、ブタ族やネコ族などの他種族も混ざっている。


「彼らは放送で治らないかもしれないが、とりあえずトリ族優先で行こう」


滑空している先に(そび)える電波塔が見えてきた。


「あれか?」


「はい、あの下に放送施設がございます」


100人を超すトリ族の群れが塔に突き刺さる勢いで近づいてゆく。


小高い丘に塔が設けられ、その脇に小さな放送施設があった。木の枝を編んだような丸型の外壁の上にアンテナが見える。さながら巨大な鳥の巣のようだ。


施設の周りもまた紫の者たちが徘徊(はいかい)し、入口付近にも座り込んで(たむろ)していた。


「カナ、行くぞ!」


ヨキが叫び、カナは親指を立てた。


「オッケー、任せて!」


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