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ヨキ達4人はトリ族に跨がり、空を飛んでいた。いざ乗ってみると風の抵抗の強さと、何より高さで足が竦む。
カナは楽しそうだが、他の3人は背筋を張れず、しがみつくように身を屈めていた。
「落ちる! もっとゆっくり飛んでくだせぇ!」
「じたばたしないの、ブヒタロウ。余計落ちるよ」
「そ、そんなこと言われても、カ、カナ様は、だ、大丈夫でげすか?」
「わたし? 全然平気! 超楽しいんだけど!」
「カナ殿は逞しいですな。わ、わたしも空は初めてで」
「ブヒゾウもダメなんだ。意外と繊細なんだね」
「か、からかわないでください」
「ヨキはどう?」
「…………」
「蒼褪めた顔しちゃって。揃いも揃って頼りないんだから」
森を抜け、一面に緑豊かな平野が広がった。動物はちらほらいるが、みな紫のオーラを纏っている。野犬なのかオオカミなのか、群れでタヌキを襲ったり、かと思うと仲間同士で噛みつき合ったり、ずっと同じ岩に頭をぶつけ続けているものもあった。
動物にまでこうして悪意が蔓延していることにヨキは深刻さを覚えた。
緑優しい平原に悪意に満ちた動物たちが闊歩する光景は、楽園と地獄をかき混ぜたような異様な雰囲気を醸し出していた。
その侵された動物をひとつひとつ祓うことは今は不可能であった。
ヨキは上空からそれらを見下ろし、いずれ治してあげることを誓いつつ、心苦しくも通り過ぎていった。




