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亜人が諸国に介入し、支配していると前に聞いた。おそらく亜人が各国に悪意をばら撒いていると考えられる。
つまり、その亜人をどうにかしないと、また悪意が国中に蔓延ることになる。
「ただ君達が今、悪意に侵食されていないところを見ると、国民達はその亜人に忠誠を誓っていないようだが」
ヨキの指摘にサントーリオは慌てて弁明した。
「そ、そ、そんなことはございません!」
サントーリオの動揺は分かりやすかった。
「しかしそれが体に表れてる。君達は突然国を支配し始めた亜人に抵抗があるのだろう?」
「…………我々は上の者にお仕えするだけです」
サントーリオは感情を押し殺し、建前を述べた。
その気持ちはヨキにも痛いほど伝わる。
「いいんだ。君達を責めてる訳じゃない。むしろ同じ亜人として申し訳ない」
サントーリオは逆に恐縮した。
「滅相もございません! ヨキ様には何も」
ヨキは同じ亜人が悪意の元凶であることを知ってから、そのことを亜人として恥じていた。だからこそ自分がなんとかしなければという思いも日々拍車がかかるように強まっていた。
ヨキは作戦を考えるにあたってサントーリオに尋ねた。
「行動を共にする前に、君たちの能力を知りたい」
サントーリオは、ごもっともと言わんばかりに首を何度も頷かせた。
「そうですね。まず、我々は空を飛べます」
「……うん……知ってるよ、それは」
飛んでるの、見たし。
鳥だし。
「あと、風を操ることができます。竜巻を起こしたり、雨を降らせたり」
「ほう、それはすごいじゃないか!」
それにはヨキも食いついた。
「雨はどうやって?」
「上昇気流を起こすことで雨を局地的に降らせることができます。ある程度の頭数は必要になりますが」
「そんな能力があるのか。先にそれをもっとアピールしてくれよ」
「ただ我々は雨が嫌いなので、誰も使いません」
「じゃあ、なんでそんな能力あるんだよ……」
「あと目と耳が多種族より優れていると自負しております。ネコ族も目や耳が良いらしいですが、我々のほうが優れているのではないでしょうか。いや、ネコ族を見下しているわけではございませんよ? ただこれは種族の誇りとでも言いましょうか、我々は気流を味方につけることでより遠くの音を捉えることが出来るわけで……」
「わかったわかった」
「あとミミズを探すのが得意です」
「それは知らん!」




