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「わたくし達は王宮騎士団に所属しております」
サントーリオ(長男)はそう述べた。
「王宮騎士団?」
「はい、国王様に仕える直属の部隊でございます。とは言っても別に軍隊というわけではございませんよ。身の回りの世話を担う由緒正しき精鋭部隊でございます」
「その騎士団がなぜこんな所に?」とブヒゾウは尋ねた。
サントーリオは表情を暗くさせて、あらましを語った。
「実は今、王国は壊滅状態でして、謀叛が絶え間なく続き、混沌を極めております」
「なんと、そんなことが」
辺境の村に住むブヒゾウには寝耳に水だったようだ。
「ええ、そのため国王様は……」
サントーリオは涙を滲ませた。
「まさか!」
都はそれほど荒れているのか。そういうこともあって都にトリ族が集中し、森付近はトリ族がいなかったようだ。
「無念でなりません……。そのため、せめて王子様だけでも戦乱から遠ざけねばならないと我々が命を捨てる覚悟でお守りしました。そして辛々都から逃げ果せたというわけです」
サントリーオ(次男)が話に加わる。
「その最中、森の鳥達の不穏な動向。先回りした追っ手かと思い、身構えた先にあなた方がおられた、という経緯でございます」
「なるほど、そうだったのか」
ヨキは腕を組んで聞いていた。
悪意に侵されながらも王子を守るとは、強い忠誠心を彼らに感じた。
続いてサントリオー(三男)が加わる。
「そしてあなた様のその能力。これは神が我々を慈しみ遣わせた救世主であると確信しました」
「い、いや、そんな大層な者では……」
トリトリオ三兄弟は再び膝をついた。
「我々の国をお救いください!」
彼らの事情を汲むことは容易かった。この旅は元々悪意を排除するために始めたことである。ヨキには断る理由はなかった。
「もちろん力になるつもりだよ」
三兄弟は顔を上げ、瞳を輝かせた。
「おお、なんという僥倖! ありがとうございまする!」
羽根を広げ、喜びを表していた。
「それで、王子様は無事なのかい?」
ヨキが尋ねると、三兄弟が背筋を正して左右へ退き、トリ族に匿われた幼い子が現れた。
三兄弟がヨキ達へ披露する。
「こちらにおられるのが、王子、いや、現国王となられたクックル様でございます」




