序
幹を連ねて木々は鬱蒼と生い茂っている。特け道が設けられているでもなく、ただ進むには木々の中を突っ切っていく以外にない。
ヨキとカナ、ブヒゾウとブヒタロウはその草深い森の中を歩いていった。
均された道ではないので、森の中を進むのは疲労を伴う。草を掻き分け、木の根に躓き、落ち葉で滑ったりすることで、足への負担も重なってゆく。
「ずっと森が続くなぁ」
ヨキが愚痴る前でブヒゾウはナイフで丈の長い柴を刈りながら先導する。
「トンディーク国は8割が森に覆われています。トリ族の棲み家ですので。
都に近づけば、平原が増えていくでしょう」
ブヒゾウ、その後をヨキとカナ、殿をブヒタロウが担う。
というか、ブヒタロウは遅れをとっていただけであった。
「はぁ、ふぅ、ちょっと早いでがすよぉ」
「置いてくぞ、ブヒタロウ」
「ひどいでげすよぉ」
ブヒタロウは汗だくで息を切らし、重そうに体を前へと懸命に進ませてゆく。
「カナ様、ヒールで回復してくださいでげす」
「ダメよ、ブヒタロウ。これしきでへこたれちゃ。自力で頑張りなさい」
「そんなぁ」
ブヒタロウは今にも倒れそうになりながら、ふらふらと3人についていった。




