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この異世界は悪意しかない!  作者: 浅見青松
第1章 はじめの村編
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翌日から村の復興は本格的に始まった。散乱した(わら)やレンガは綺麗に片付けられ、新しい材料で家を建てる。

赤土を()ねたり、畑を耕している者もいる。


指揮を務め、統率しているブヒノスケにヨキは寄っていった。


「この様子だとすぐに元通りになりそうだね」


「おお、これはヨキ様。ええ、皆が早く復興出来るよう息巻いておりますゆえ」


「そうか。それはよかった」


皆が協力し、汗水を垂らして働いている。表情も明るく、前向きだ。


「こら、ブヒタロウ! イモを食べるな!」


「だってオイラ、腹減っちゃって」


「さっき食べたばっかだろ」


「ぶー」


ひとりを除いて……。


「ところでブヒノスケ。少し聞きたいことがあるのだが」


「はい、知っていることなら何なりと」



ブヒノスケと共にその場を離れ、ヨキはカナのもとへと向かった。カナは村の者と一緒に(わら)を束ねる作業をしていた。


「あれ、どうしたの?」


カナはヨキ達に気付いて声を掛けた。


「うん、今後のことについて話してるんだ」


カナは作業の手を休め、3人は向かい合って座った。


「それでお話とは?」

ブヒノスケはヨキに尋ねた。


「うん、僕はこの世界のことをよく知らないんだ。だから少し教えてもらいたい」


ブヒノスケは少し不思議そうにしていたが、ヨキの素性を詮索しようとはしなかった。


「この地は辺境そうだが、どこに位置するんだ?」


ブヒノスケは身を正して答えた。


「ここはトンディーク国のはずれに位置します」


「トンディーク国?」


「はい、トリ族が統治している国です」


「トリ族……」


ブタ族といい、トリ族といい、随分と分かりやすい名前だ。


「世界に9つの国があり、そのうちのひとつ、トリ族の国です」


ブヒノスケは地面に枝で大きな円を描くと、その南側を丸で囲った。この国が最南にあるということを示している。


「元々争いというものはなかったんです。国とは言うものの、()みやすい環境に集落を設けただけのことで、各種族の棲息(せいそく)地域がを表す名ばかりの区別でありまして。そもそも種族間でいがみ合うこともなく、互いに静かに暮らしていたのです」


ブヒノスケは溜め息を吐いて話を続けた。


「ところが、突然悪意が蔓延(まんえん)し始めたようで、情勢は一変しました」


「突然? どうして?」


ブヒノスケは首を振った。


「ここは辺境の地ですので、詳しいことは分かりません」


「そうか……」


「ただ噂は耳にしたことがあります」


ブヒノスケは眉間に(しわ)を寄せた。


「その悪意の発端の地は、亜人族の国、アルージ国であると」


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