失われる事の無い恋
私には好きになった人がいる。私より二十歳は年下の娘さんだ。
私は四十を越しての独身男性で結婚歴もない。現在恋人もいない状況だ。
そんな私が彼女を好きになった理由はよくわからない。
ただの職場の同僚だったはずだがいつの間にか気にしていた。
確かに仕事はまだ不器用な部分もあると思う。フォローにまわる事も多い。
だから気にするのは当然。そう考えてはいた。
ただ休日になっても彼女の事が浮かんだ。仕事に関係ない笑顔を思い浮かべた。
そんな毎日が続きふと思いついた事があった。
私は彼女に恋をしている。
彼女に恋をしてからというもの私は変わった。いや、変わってしまったのだ。
今まで恋をした事がなかったわけではない。相手を想い行動する事もしてきた。
積極的に誘い、デートを積み重ねた。無論即座に終わった恋もあった。
しかし今回私は恋をして何も望まなくなったのだ。
私は考える。
まだ彼女を好きだと確信する。
好きだからどうするのかと自問する。
何もしないと答えが出る
何故。何故。何故。
私には好きな人がいる。改めてそう思える。
私より二十歳は年下の娘さんで、私は四十を越している。
だからなのだ。これでいいのだ。
この気持ちをずっと抱きながら生きていく。
私はこの恋に満足している。