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第99話 【調査・3】


 キャロルから報告を受けた数日後、グレンはキャロルと共に件の街へと訪れていた。


「……意外と人が多い街なんだな」


「この街は港があるにゃ。にゃから、人が多いんだにゃ」


 グレン達が訪れた街は、デュレイン国の最北端にある港街ハブーン。

 人の出入りが多いこの街は、王都程では無いが賑わいのある街だ。


「まあ、これだけ人が居たら紛れ込むのは簡単だろうな……取り敢えず、キャロル。その件の建物に案内してくれ」


「はいにゃ! こっちにあるにゃ」


 街にやって来て直ぐにグレン達は、件の建物の調査の為に動き始めた。

 そうしてキャロルの先導の元、やって来たのは王都にあったアジトと同じように民家の立ち並ぶ一角の普通の一軒家だった。


「他の家は、普通の生活感があって違和感が無かったにゃ。でも、あそこだけは少し違和感を感じたにゃ」


「……確かに、あの家だけ少し違和感を感じるな。ちょっと、調べてみるか」


 グレン達は少し離れた位置から、違和感を感じる家を見つつそう話し合いを行い。

 グレンはフレイナに頼み、その家の様子を確認させた。

 その結果、その建物は〝シャドースネーク〟のアジトで間違いない事が分かった。


「さて、この後をどうするかだよな……」


「折角、中に人が居るなら捕まえなくて良いのかにゃ?」


「そう思うのは分かるが。もし捕縛した所で、前みたいに悪魔の力で逃げられたら一緒だろ?」


 グレンのその言葉に、キャロルは「あっ……」と言って黙ってしまった。


「……まあ、でも捕まえる以外の選択肢は無いな」


「そうにゃね。もし、逃げた時はその時で考えて、今は少しでも情報を集められるように動いた方が良いにゃ」


 結局、建物の中に居る者達を捕縛すると決めたグレン達は、その場所からグレンの眼の力で建物の中へと潜入した。

 悪魔の力を警戒して潜入したグレン達は、一気に中に居た者達を捕縛していった。

 一瞬の出来事に犯罪者達は驚く事しか出来ず、気付いた時には建物の中に居た者達は全て捕まえられていた。


(グレン、そいつ何かしようとしてるわよ)


「ッ!」


「グァッ!」


 フレイナの言葉にグレンは、フレイナが危険だと判断した一人の男へと転移で近づくと頭部を掴み【雷魔法】を最大火力で放ち、その男を殺した。

 すると、その男から黒い靄が「プシャー」と吹き出て、その黒い靄はグレン達の前から消え去った。


「……今のが悪魔なのか?」


(ええ、でも今のは悪魔の力の一部ね。本体が入った肉体だったら、反撃をして来る筈よ)


「ぐ、グレン君? 今のはにゃんだったのにゃ?」


 一人、今起こった事を理解出来てないキャロルはそうグレンに聞き、グレンはアタフタしているキャロルに今の黒い靄が悪魔だと伝えた。

 悪魔と伝えられたキャロルは、驚き「た、倒したのかにゃ?」と更に聞いて来た。


「いや、今のは本体の一部に過ぎない。本体だったら、俺の攻撃に反撃してただろうからな……」


 その後、グレン達は捕らえた犯罪者達と共に王都へと戻った。

 王都に帰還したグレン達は犯罪者達を牢屋へと送り、聖女達に今日の出来事を報告する為に家に戻った。

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[気になる点] 「他の家は、普通の生活感があって違和感が無かったにゃ。でも、あそこだけは少し違和感を感じたにゃ」 ✕ 違和感を感じる ◯ 違和感を覚える/違和感がある
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