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第98話 【調査・2】


 そうして魔道具を異空間に入れたグレンは、目の前に座るキャロルへと目を向けた。


「それで、キャロル。そのアジトらしき所は、どうやって調べるつもりなんだ?」


「そうにゃね……張り込みかにゃ? 下手に動いて、警戒されたら折角怪しい建物を見つけたのに勿体にゃいからにゃ」


「そうだな、まあお前なら見つからずに動けるだろうが。向こうは悪魔との繋がりがあるから、無理をせずに動くのが得策だな」


「そうにゃね。本当はグレン君に一緒に来て欲しいにゃけど、グレン君も最近は忙しそうにゃから無理には言えないにゃ」


 キャロルの言葉にグレンは「別に休みの日なら、動けるぞ?」と言葉を返した。

 平日は、クランとして動いているグレンだが休日は、妖精達と王都や周辺の調査に出向いているだけで、国内であれば動こうと思ったら動ける範囲であると伝えた。


「にゃ? だったら、あたしと一緒にその建物の調査に行かないかにゃ?」


「ああ、俺もさっきの話を聞いて気になってたからな。今度の休みの日にでも行くとするか」


 そう言うとキャロルは、嬉しそうに返事をした。

 その後、キャロルは調査の為に王妃様への許可取りをする為に出て行った。


「まあ、そう言う訳だからさ、何人か王都に残って調査をしてもらいたいんだが、頼めるか?」


 そうグレンが聞くと、周りに居た妖精達は「直ぐに帰って来るなら良いよ~」と言い、誰が残るのかジャンケンで決め始めた。


「それにしても、街中にアジトを構える何てその犯罪者達も肝が据わっているわよね……」


「まあ、悪魔から力を貰ってるから、大胆に動いてるんだろうよ。そうじゃなきゃ、国が動いてたのに場所を特定できないなんて事は無いだろ?」


「そうね。私達が王都に来た時も、犯罪者達の魔力を感じ取れなかったし、相手は相当隠密に長けた能力を持ってるわよね……」


 悪魔がどんな力を渡しているのか分からないグレン達だが、隠密系もしくは偽装系の能力は持っているだろうと確信していた。


「後はまあ、空間系の力も持ってるだろうな」


「それが一番厄介よね。残留してた魔力も少なくて、見極めるのが凄く大変だったものね。あれを人間が見つけるのは、相当な力を持ってる子じゃないと無理ね。聖女や賢者、後はグレン位しか見極めるのは難しいと思うわ」


「あの時から探知系の魔法をより訓練して、微量な魔力も見極められるようになっては来てるけど、まだまだ正確では無いしな。ティアさん達も凝視しないと難しいって言ってたし、悪魔の力が何処に隠れているのか分からないのが辛いな……」


 グレンはそう言うと、取り敢えず今度の休みの調査の事をガリウスに報告しておこうと、転移でクランハウスへと移動した。

 今日は訓練が休みの日ではあるが、クランには多くの人が居てガリウスもリーダー室にて仕事をしていた。


「ガリウス、今良いか?」


「おう。大丈夫だぞ」


 ガリウスに声を掛けながら部屋に入ったグレンは、机の上に散乱している資料を見て「うわ……」と声に出した。


「そんな引くなよ。これでも大分、片付いた方なんだぞ?」


「……意外と苦労するんだな、クランリーダーって」


「まあな、それで何か報告したい事があるんじゃないのか?」


「んっ、ああ。今度の休みの日、少し出掛ける事になったって報告に来たんだよ」


「ふむ、態々報告に来たって事は事件関連か……分かった。王都の事は、俺が見ておく、安心していってこい」


 グレンが伝えたい事を、瞬時に理解したガリウスはそう言葉を返した。

 そんなガリウスの反応に、グレンは頭を掻いて「頼れるリーダーだな」と笑みを浮かべながら言った。



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