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第94話 【警戒・1】


 報告会から数日後、グレン達はそれぞれ自分達の出来る事をしていた。

 マーリンは隠し玉として使われる事を承諾し、姿を隠す事にした。

 隠すと言ってもマーリンは変身魔法も使う事が可能な為、聖女の護衛の一人に変身して窮屈な生活はしていない。


 聖女は国が要請した期間を過ぎたが、まだ解決していない事を理由に滞在期間を伸ばして、悪魔への対処の為に動き回っている。

 本国である聖国には事情を説明し、追加要請を行いデュレイン国だけではなく周辺国にも結界を張る作業を行っていた。


 そんなマーリンと聖女が動いている中、グレンはクランメンバー達との強化訓練を続けていた。



「グレンさん! 魔法剣、出来ましたよ!」


 いつも通りクランハウスに到着すると、そう報告しながら俺の元にリックが走って近づいて来た。


「おっ、遂に成功したのか?」


「はい!」


 元気よくそう返事をしたリックに、訓練の時に見せてくれよなと言ってガリウスの所へと向かった。

 そうしてガリウスに挨拶を終え、訓練場所に移動した俺は早速、リックの魔法剣を見る事にした。


「それじゃ、行きますね!」


 リックはそう言うと、剣に魔力を集中させた。

 徐々に剣に魔力が集まって行くと、ブワッと剣に炎が纏った。


「リックは火属性が得意だったから、そのまま火属性の魔法剣にする事にしたのか」


「はい。本当は、グレンさんと同じ雷を使いたかったんですけど、僕には使えなかったので諦めて自分の得意な魔法で魔法剣を作る事にしたんです」


 リックは嬉しそうにそう言うと、俺はリックの作った魔法剣をジックリとみた。

 まだ魔力の調整が粗い所はあるが、ちゃんと魔法剣として成功していて、これだけでもグンッと戦力として上がっただろう。


「最初にしては良い魔法剣だな」


「ほんとですか!」


 粗い部分はあったとしても最初にしては良い魔法剣だったので褒めると、リックはピョンピョン飛びながら嬉しさを体で表現した。

 それから他の者達の魔法剣も見てやると、魔法剣の取得者が増えていて最初の方に取得した者達は魔法剣での訓練も大分慣れて来ていた。

 俺はそんなメンバー達の様子を見て、ガリウスへと近づいて行った。


「ガリウス、そろそろ実戦での訓練を始めようかなと思うんだが、お前の意見を聞きたい」


「……そうだな、約一か月の間、訓練を続けて来て技術の方は成長したと思うし、そろそろ実戦での訓練を始めてもいいかもな」


 俺の提案にガリウスは少し考え、そう言葉を返してきた。

 そんなガリウスに俺は今週は取り敢えずこのまま続け、来週から実践訓練を始めようと提案した。


「それが良いだろうな、でも訓練場所はどうする?」


「前に俺の力を確認する為に行った迷宮なんてどうだ? あそこなら、あいつ等も戦えるだろ?」


「あの迷宮か……確かにそこまで魔物も強く無いし、訓練として使うには申し分ないな。一応、ギルドには話を通してクランで行く事の許可を貰っておくよ」


 その後、幹部達にも話を通し、来週からの動きを話し合った。

 そうして一日の訓練を終えた俺は、リック達の自主訓練も見てやった後、家に帰宅して妖精達の報告を聞いた。


「怪しい人居なかったよ~」


「王都の近くまで見に行ったけど、変な魔力もなかったです」


「そうか、ご苦労様」


 そう俺が労いの言葉を掛けると、調査をしてくれていた妖精達は嬉しそうに俺の周りを飛んだ。




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― 新着の感想 ―
[一言] ほとんどの妖精が子供みたいな喋り方たけど敬語を使うの居るんだな
[気になる点] 最後の妖精?の報告の箇所。 王都にいるのに、「王都の近くまで見に行った」 というのは、おかしい表現ではないですか?
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