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第84話 【賢者マーリン・1】


 グレンが部屋を開けて立ち止まった理由、それは部屋の中に居た人物がこの場に居ておかしい人物だったからだ。


「……賢者マーリン」


「ほほっ、儂の名前覚えておったんじゃなグレン」


 賢者マーリン、その名はこの世界に知らない者は居ないと断言できる程、有名な冒険者の一人だ。

 種族は長寿族であるエルフ族で約300年は生きており、実力は魔法使いとして世界一の腕を持っていると言われている。


「……何で、あんたがここに居るんだ? 確か、国には関わらないって前言ってなかったか?」


「うむ、それは変わっておらんぞ? ただまあ、久しぶりに王都に帰ってきたら何やら忙しそうにしておったからな、弟子を捕まえて話を聞いて、面白そうじゃなと思って参加しにきたんじゃよ」


 部屋の中で寛いでいるマーリンは、笑みを浮かべてそう言った。

 〝弟子〟という単語に引っかかったグレンは、横に立つ聖女へと顔を向けた。


「弟子って、ティアさんってマーリンの弟子だったんですか?」


「えっと……まあ、はい。あまり知られたくないのですが、私の師匠はマーリンさんですよ」


 聖女は言い難そうにそう言うと、話を聞いていたマーリンは「何じゃ、その嫌そうな顔は」と顔を顰めてそう言った。

 エルフ族という事でその見た目は、若い時のままで維持されており顔は整った顔をしているマーリン。

 本来のエルフ族は、一人の女性と生涯を共にする生き方をするのだが、このマーリンはその逆で相当な遊び人である。

 それは性欲に全ての欲望を向けていたグレン以上で、遊び人としても有名な人物である。

 また夜の店で度々、グレンは顔を合わせており他の者が遊び人の部分も含めて尊敬をしている所、グレンはただの遊び人のエルフ族と認識している。


「グレン、お主最近夜の店に来てないようじゃな? 娘達が寂しがっておったぞ?」


「こっちにも色々とあるんだよ……それより、マーリン。あんた確か、余生は獣人国で暮らすって言ってなかったか?」


「……儂にはあの国は早かったようじゃ」


 マーリンは天井を見上げながらそう言い、グレンは何となく察した。

 それからグレンは、マーリンとは反対側のソファーに座った。


「それでグレン、お主面白い事になっておるのう」


 マーリンはグレンをジッと見つめながらそう言うと、グレンは溜息を吐きながらフレイナに実体化してもらうようにいった。

 そしてフレイナの説明を軽くすると、マーリンは「グレンはやはり面白いの~」と笑いながら言った。


「それでマーリン。今回の悪魔騒動に参加するのか?」


「うむ、悪魔なんて戦った事が無いからのう。戦える機会があるのであれば、戦っておきたいと思ったんじゃよ」


 そうマーリンが言うと、グレンは呆れた口調で「ほんと、賢者って名前似合わないな……」と言った。


「それで悪魔はまだ接触してきてないのかのう?」


「そうだな、今の所は無いな」


「そうか……」


 グレンの言葉を聞いたマーリンは、あからさまに残念そうな顔をした。


「師匠。流石にその態度は……」


 マーリンのその態度に聖女はそう言って、マーリンを顰めた顔で見つめた。

 弟子からそんな目で見られたマーリンは、聖女からの視線から逃げるように顔を背けた。

 その後、情報交換を行い、グレンは転移で家に帰宅した。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 獣人の国が早かったって言うのは獣人の見た目が耳と尻尾があるだけのなんちゃって獣人ではなく全身毛むくじゃらの高度な性癖向けだったからってことかな?でもキャロルは漫画で毛生えてないよね? …
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