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第62話 【家・2】


 そうして連れてこられた場所の前には、それはもう立派な家が建っていた。


「こ、これが俺の家?」


「ええ、そうよ。はい、これこの家の鍵よ」


 フローラは驚くグレンにそう言って、この家に付いてる扉や門などの鍵が全て一緒なってる鍵の束を渡した。

 その鍵を受け取ったグレンは、まず目の前に頑丈な作りで侵入者を入れさせない様にしている門の鍵穴に鍵を入れた。


「あ、開いたぞ! フローラ!」


「そりゃ、開くでしょこの家の鍵なんだから」


 グレンは一つ一つの事に驚き、フローラはそんなグレンの今まで見た事も無い姿に呆れつつ家の中を紹介する事にした。

 グレンの為に作られた家は、王都の正門からは少し離れている主に貴族や金持ち等が住む区画に建てられている。


 家の大きさは程よく大きく、豪華な造りな上に部屋数もかなりの数がある。

 グレンの要望としてあった風呂場は特に拘って作られていて、グレンは風呂場を見た感想として「凄い」と驚きが大きすぎて言葉が出てこない程だった。


「いや、よくこんな凄い家を経った数日間で作れたな……」


「ええ、そこは私も驚いたわ。素材の搬入作業とか考えたら、この家の建築は三日くらいしか無い筈よ」


「マジかよ。後で、その職人達にお礼しにいかなきゃな……」


 その後、一通り家の中を見て回ったグレンは一旦落ち着く為にリビングへと移動した。


「一応、グレンの要望は全部叶ってるはずだけど、どうだった?」


「素晴らしい家って感想しか出てこんな……」


 家の凄さに圧倒されているグレンは、家の感想についてそれ言えなかった。


「それに家具とかもよくこんな短期間に集められたよな、そっちはフローラがやってくれたんだろ?」


「ええ、でもグレンが欲しいって言った家具は私の所のだから、簡単に集められたわよ。それに全部の部屋に家具を置いた訳でも無いし、そこまで苦労はしてないわよ」


 フローラはそう平然と言い、この家に掛かったお金の内訳が書かれた書類をグレンに渡した。

 グレンはその書類に目を通すと、明らかにおかしな点を見つけた。


「なあ、家具の値段おかしくないか? 家具を置いたのは寝室とリビングだけだが、この値段明らかに低すぎだろ?」


「そこは私からのプレゼントよ。Sランク昇格のね」


 グレンの質問に、フローラは笑みを浮かべてそう返した。


「プレゼントってお前……俺が頼んだ家具、結構な値段するだろ?」


「ええ、でも私からグレンに出来る事ってこういった事しか無いし、出来る時にしておきたいのよ。文句言わずに受け取っておきなさい」


「……はぁ、フローラが良いって言うなら有難く受け取っておくよ。ありがとな」


「ええ、最初からそれでいいのよ」


 グレンの言葉を聞いたフローラは、ニコリと笑い満足気にそう言った。


「それにしても、ここまで広いと一人で使うのが勿体な気もしてくるな……」


「そうね。グレンのクランの人に使わせたらって思ったけど、そもそもグレンってクランの人とまだそこまで交流無いわよね?」


「ああ、入って直ぐに事件解決に走り回ってたから、ガリウス以外は殆ど会話もした事も無いな」


「……それなら、家を建てた記念にパーティーでもしたらどうかしら? パーティー会場用にって言って作った部屋もある事だし」


「あそこの部屋見た時いつ使うんだよって思ったけど、折角なら使いたいし、その提案いいかもな……」


 フローラの提案に、グレンは以外にも乗り気になり、それから二人はパーティーの話を進めて行った。


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― 新着の感想 ―
[一言] グレンの反応は年齢を考えたら普通だから、治療されて、過去の出来事とも決着がついて、どんどん感情表現が良くなってるんですね。
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