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第56話 【一掃作戦・4】


 その後、ベルドはグレンの話を聞き、協力をするとグレンに言った。

 その返事を聞いたグレンは、また作戦を伝える為に来ると言いベイルーン家を後にした。

 ベイルーン家での話し合いは少し長引いてしまい、陽は既に落ちていて、グレンは夜道を歩いて宿へと帰宅した。


「……」


 宿に帰宅したグレンは夕食と風呂を済ませ、ベッドに横になり天井を見上げていた。

 リシアナ達との話し合いの時は感情を隠していたグレンだったが、宿に帰宅してから少しだけ落ち込んだ様子でいた。

 そんな変化に気付いたフレイナは、実体化して声を掛けた。


「ショックだったのかしら?」


 そう聞かれたグレンは、自分を覗き込んでくるフレイナと目が合うと溜息を吐いた。


「まあ、少しはな……心のどこかで操られてるんじゃないかと思ってたんだけど、本当に自分の意思で動いてたんだな……」


 グレンの気がかりは、一年ぶりに再会した元仲間達の事だった。

 アレインは元々嫌な奴だから、悪事を働いてもおかしくないと思っていた。

 でも他の仲間達、正しく言えば元カノでもあるエミリーは、洗脳魔法等で操られているんじゃないかという思いがあった。

 しかし、昼間再会した時に鑑定眼で確認した事で、その淡い希望は砕かれてしまった。

 エミリーを含めたアレイン達は全員が正常で、全員自分達の意思で動いていた。


「でもグレンにはもう関係無いし、割り切ったらどうなの? 今更、あの子との仲を取り戻したいって思って無いんでしょ?」


「まあ、そうなんだが……昔から知ってる奴が、こうも変わってしまうのかってショックが大きいんだよな……」


 そう呟くグレンに、フレイナは彼の気持ちを理解したかのように微笑み、それ以上は言わず実体化を解いた。

 その後、グレンはそのまま寝ようとしたが、頭の中がスッキリせずに寝付く事が出来なかった。

 ふと思い立ったグレンは転移眼を使い、王都からかなり離れた湖へと転移した。


「フレイナ、ちょっと気晴らしに付き合ってくれないか?」


「ええ、良いわよ」


 フレイナはそう答えると、二人で魔法を一切使わない体術だけの勝負を始めた。

 それから1時間程、フレイナと勝負をした事で少しスッキリしたグレンは宿に戻り、魔法で体を綺麗にして眠りについた。



 次の日、俺はいつも通り朝早くに起きて朝食を食べた後、昨日ガリウスに教えられた店へと向かった。

 その店は、フローラの所の系列店であった為、店にそのまま行くのではなくまずフローラの所に行く事にした。


「成程、それで行き成り私の所に来たのね」


「ああ、Sランクになったことを伝えておいた方が良いと思ってな、特権とかも使えるし」


「そうよね。まあ、私としてもグレンがSランクになってくれたのは嬉しいわ」


 俺の近況報告に対して、嬉しそうにフローラはそう言った。

 まあ、俺が使ってる店は大体フローラの所で、尚且つ正式にフローラの商会と契約を結んでいる。

 契約を結ぶと、その商会の商品を安く提供してもらえたり、他にも色々と商会から優遇な対応をしてもらえたりする。


 そして、商会側にもちゃんと利益はある。

 商会は契約してる冒険者、クランの名前を宣伝目的に使う事が出来る。

 特に上位ランクの冒険者が懇意にしてる商会などはその店の信用も上がり、名を上げたい商会は今後芽が出そうなパーティー等に声掛けなどもしている。

 

「今まで俺の名前なんて無価値だったが、これからは多少使えると思うし存分に使ってくれ」


「ええ、そのつもりよ。グレンは、なんだかんだ名前が知れ渡ってる冒険者だもの、それがSランクになったことで更に名前が広まったりしたら、うふふ……」


 フローラは今後起こるであろう騒動を想像して、微笑した。

 商会の宣伝込みで出来るだけ良い素材を使った服を用意すると言われ、以上でフローラとの話を終えた。




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― 新着の感想 ―
[一言] 魔法や状態異常等が厳密に判断し得るこの世界観で洗脳と思考誘導の差を如何捉えられて居るかがカギではあるんだが… どっちかと言うとアレインがグレンの元カノに対してやった精神に負担をかける手法は何…
[気になる点] 完結してから読めばそこまでは感じないんだろうけど、リアルタイムで毎日読んでいると、無駄な描写が多くてすごくテンポが悪くて話が進まないなーって感じを強く受けてしまう。別に作者さんも引き伸…
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