第33話 【再会・3】
そうして受付に移動したグレンは、疲れた表情をしているルドガーから「終わったぞ」と報告を受けた。
「お疲れ、意外と早く終わったな?」
「職員の中でもベテラン連中を連れて行ったからな、彼奴らが居なかったらまだ掛かってたよ……それで、あの素材は全部売却で良いんだよな?」
「ああ、今の所素材を使う予定は無いし、あったとしても取りに行けばいいからな」
「そうか、それじゃこれが素材の売却費だ。それでこっちが内訳だから、確認してくれ」
ルドガーはそう言いながら、貨幣が入った大きな麻袋と素材の内訳書をグレンに渡した。
グレンは麻袋の中と書類を一瞬確認すると、ルドガーに「うん、まあ妥当だろうな」と言って麻袋を異空間へと入れた。
「……今の一瞬で中身を確認したのか?」
「昨日話したけど、この眼は色々と便利なんだよ。そこらの【鑑定】能力よりも強力だからな」
そうグレンが言うと、ルドガーは「ほんと、ズルいなその目は……」と小声で愚痴を零した。
◇
「そういや、さっきガリウスと一緒に居たけど、何か話してたのか?」
金を受け取り、異空間に入れるとルドガーからさっきの事を聞かれた。
「ああ、前からガリウスのクランに勧誘されてて、今回戻って来てまた誘われたからお試しで入るって流れになったんだよ」
「グレンがクランにか……」
ルドガーは、俺の言葉に不安そうな顔をした。
まあ、確かに俺がクランに入るってのは俺の事を良く思ってない奴等が居る可能性もあって、ルドガーとしてはそこが心配なんだろうな。
「一応、お試しだから何かあったらすぐに抜ける予定ではいるから、そこまで心配しなくていいぞ」
「……そうか。まあ、ガリウスの所なら噂に流される奴も少ないと思うし、大丈夫だろうが何かあったらすぐに相談するんだぞ?」
ルドガーは、真剣な表情で俺にそう言って来た。
前の時は俺が自分一人で抱え込みすぎて自爆したから、そうさせない為にここまで言ってくれてるんだろうな。
「大丈夫だ。今はまだ正常な判断が出来る状態だから、ルドガー達にも相談するし、何なら俺の近くにはフレイナも居るから安心しろ」
そう言って俺はルドガーと別れ、俺の事を待っていたガリウスの所へと向かった。
「さっきチラっと見えたが、あの袋全部が金なのか?」
「まあ、一応な。金にちょっと余裕が無いのと、久しぶりの迷宮探索で力が入っちまったんだよ」
「成程な、まあ詳しい話はクランハウスで聞くとするか」
ガリウスはそう言うと、俺と一緒にギルドを出て行き、その足でそのまま〝シルバーナイツ〟のクランハウスへと向かった。
クランハウスに向かう道中、ガリウスはクランメンバーについて教えてくれた。
現在、シルバーナイツに在籍しているメンバーは冒険者や商人、職人等を合わせて計50名程いるらしい。
割合的には冒険者が半分で残りは、数名ずつといった割合とガリウスは言った。
「ガリウスの装備を見て分かるが、その鍛冶師相当な腕を持ってるみたいだな」
「おっ、分かるか? 素材も良い物使ってるのもあるが、彼奴らの腕は王都でも結構良い方だぜ」
「そうか、ならクランに入ったら俺の装備も頼むとするか。俺が使ってるの前に使ってたのを使ってるんだが、今の体に合って無いのもあるからな」
成長期である俺はこの一年間、妖精界で過ごす中でそれまでの生活とは一変して規則正しい生活を送っていた。
若干訓練に身が入り、運動量が過多になってる時もあったが、それによりこの一年で俺は身体の成長具合は相当なものだった。
「確かにそう言われてみれば、前と比べてグレンとの身長差がほぼ無くなってるな」
俺の事を足先から頭までと見たガリウスは、納得したようにそう言った。
「それなら、話し合いが終わった後に俺の所の鍛冶師に装備の注文をしておくとするか。装備は早い方が良いだろ?」
「俺はそれで良いけど、ガリウスの所の鍛冶師がやってくれるかは分からないだろ? お前は俺の事を気に入っていたとしても、お前のクランにも俺の事を気に食わない奴も居るだろ?」
「まあ、居ないと言えば嘘になるな。どう俺が言っても噂を信じる奴も居たな、だが鍛冶師の奴等は違うぞ? ほら、合同でワイバーンの討伐依頼を受けた時の事を覚えているか?」
そう言われた俺は、昔の記憶を掘り起こし「ああ、ワイバーンの群れの討伐依頼か」と言った。
「そうだ。その時に俺の所の鍛冶師も付いてきてて、グレンの戦いを見てお前の事は評価してた。鍛冶師ってのは作った物を上手く扱ってくれる奴を好む性格だから、グレンの事は気に入ってくれると思うぜ」
ガリウスの言葉を聞くと、丁度良くクランハウスに着いたので話は一旦終わりにして、クランハウスの中に入って行った。
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