第298話 【元追放冒険者の居場所・2】
そして妻達が帰宅してくると、グレン達は外で遊んでいたアレンと一緒にお風呂に入る事にした。
「おじいちゃん達お父さんに比べて、体力無いね~」
アレンの遊びに付き合ったグレン達だが、グレイとグラムは早々に力尽きていた。
「いやまあ、グレンと比べられるのはねって言いたいところだけど、アレン君の体力が凄いんだよ」
グラムは何とかアレンの言葉にそう言い返すが、グレイは体力が底をついており魂が半分抜けたように風呂に浸かっている。
「こら、アレン。折角、遊んでもらったのにそう言うんじゃないぞ」
「ごめんなさ~い」
グレンから注意されたアレンは、笑いながらグラム達にそう謝った。
「グラム兄さん、気悪くしないでくれよ。あれでも、アレン喜んでるから」
「別に気は悪くしてないよ。それに、体力が無いのは本当の事だからね。最近は文官としてずっと働いてて、運動をしてなかったのが悪いんだ」
「俺もだ。最近は家でゆっくりしてる事が多くてな、体力がここまで落ちてるとは思わなかった……孫と遊ぶためにも鍛え直さないとな」
グラムとグレイは、アレンの遊び相手にもなれない事に悔しさを感じつつ、次に来るときまでに鍛え直すぞと誓い合っていた。
その後、グレン達は我慢比べをはじめ、早々にグレイが離脱をすると、アレンも我慢できずに上がってしまった。
「まさか、兄さんと競う事になるとはね」
「ふふっ、前に負けた悔しさから長く入れるように努力したからね。今回は負けないよ?」
グラムは笑みを浮かべてそう言うと、グレンも負けじと「どこまで持つかな」と言い、兄妹の我慢比べが始まった。
「……全く、この兄弟は大人になのに限度をしらないわね」
「ふふっ、グラムさんと居る時はグレンは精神年齢が下がりますからね」
「グラムも一緒よ。グレン君と会うの凄く楽しみにしてたから」
あの後、一時間程我慢比べをしていたグレン達はあまりにも上がってこないグレン達を心配して見に来た妻達に風呂から出され不戦勝となった。
ただし、既に我慢の限界を超えておりグレン達はのぼせており、夕食は出来ているが休む事にした。
そんな馬鹿な事をした夫達を見ながら、ニアとフィリスは笑いながらそう言った。
「ま、まさか兄さんがあそこまで耐えれるとは思わなかったよ……」
「や、やれば出来るからね。ただもう二度としたくないな……」
グラムは今回の事でもう二度と、グレンとは我慢比べはしないとそう心に誓った。
それから暫く休んだグレン達は、待ってくれていたニア達に謝罪をして一緒に夕食を食べ始めた。
そして楽しい家族での食事をした後は、それぞれの部屋に行き休む事にした。
「ねえ、お父さん、今日も楽しかったね! グラムおじちゃんとグレイおじいちゃん、直ぐに体力無くなってたけど沢山遊んでくれて嬉しかった!」
「兄さんも父さんもアレンと遊ぶの楽しみにしてたからな、まあでも次に来るとき多少手加減してやってくれよ? 兄さんは良いけど、父さんはもういい歳だからな」
「ふふっ、でもグレイさんならアレンの為に訓練するって約束守って、次に遊びに来る時は体力付けて来そうだけどね」
「だとしても、アレンの成長速度から考えたらな……」
グレンの言葉にニアは察して、アレンの事を見て「確かに少しは手加減しないときつそうだね」と笑いながら言った。
「僕って、そんなに成長早いの?」
「早いな、父さんも負けないように頑張ってるけど直ぐに抜かれそうだよ」
「え~、嘘だ~! だって、まだ父さんには一度も勝ったことがないよ?」
「そりゃ、負けないように父さんも努力してるからな、せめてアレンが大きくなるまでは負けないように頑張るよ」
そうグレンが言うと、アレンはやる気に満ちた目をして「ふふん、なら僕も父さん以上に頑張る!」と言い、グレンを追い抜くと宣言した。
「ふふっ、そうなると私はどっちの応援しようかな」
「え~、母さんは僕の味方だよね?」
「母さんは俺の奥さんだ。だから、俺の応援に決まってるだろ?」
「僕の母さんでもあるんだから、父さんは我慢してよ! それに父さんにはフレイナさん達がいるでしょ!」
それからアレンとグレンはニアの言い合いをしていたが、アレンは昼間沢山遊んだおかげでウトウトし始めて、そのまま寝てしまった。
そしてグレンも今日は一日疲れが溜まっていたので、ニアにおやすみのキスをして二人の間で寝てるアレンの頭を撫でながら眠りについた。
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