第294話 【家族・1】
グレンとニアの結婚式から半年程が経ち、グレンの領地も大分落ち着いて来た。
「ようやく、落ち着きが出て来たわね……ここまで来るまで、本当に忙しかったわね」
「そうだな……本当に、俺は一生フローラには頭が上がらないよ。マジで助かった」
「良いわよ。グレンの頼みだったし、それに私も自分の利益の為だったしね。現時点でも、相当な売り上げを出せてるから本当に王都を捨てて、こっちに来て良かったわ」
そうフローラは言うと、グレンは「捨てたって酷い言い方だな」と笑いながら言った。
「表現としては合ってるでしょ?」
「あってはいるけど、一応今も王都に支店は出してるんだし、捨てはしてないんじゃないか?」
「ギリギリね。でも、王都もようやく落ち着いて来たみたいね。グレンが居た事で増えてた人口が落ち着いて、良い感じに栄える街を維持してるみたいよ」
「聞いてる。というか、昨日も王妃様にあったからな……あの人、本当に俺の領地に入り浸りすぎじゃないか?」
デュレイン王国の王妃は、グレンの街が出来た当初から遊びに来ていたが、今はほぼ暮らしてると言っていい程に滞在している。
流石に王妃様を普通の宿や、貴族が泊るような場所に泊めさせるのは、と感じたグレンは王族専用の建物を用意した。
そこには国王様も来ても良いようにしてはいるが、国王は仕事が忙しく数ヵ月に何日か泊る程度だった。
しかし、王妃はその逆で数ヵ月に数日王都に帰る程度で、殆どグレンの街に滞在している。
更にそこに付いて来て、王子と王女も一緒に滞在している。
「学園を作ったのがまずかったな……まさか、ここまで人が集まる学園が出来上がるとは想定してなかった」
「人口が多いから、子供の為にもと思って塾程度の物を最初は構想してたけど、人の多さから学園を作る方が良いって話が大きくなって行って、いつの間にか大きな学園が出来ちゃったものね」
「学者も集まって、大陸でも学び舎としてのレベルがトップクラスの学園になったらしいからな……」
グレンの街へ元々移住していた者の中には学者も沢山いて、学園を建設中だと聞くとかなりの数の学者がその学園の教師として集まった。
その結果、大陸でも上位の学園となってしまい、それも相まって更に人が集まったのは言うまでもない。
「あの時は本当に王様から泣かれたな……俺もそんなつもりじゃなかったから、流石に申し訳ない気持ちになったよ」
「そうね。あれはただ街の子供達の為にって思って行動したら、話が大きくなってしまっただけだものね」
その後、話は変わり結婚生活についての話題となった。
「それで、最近はどうなの? 旅行から帰って来てから、また仕事に集中してたけど」
「仲は良いぞ? いつも一緒に風呂に入って、一緒に寝てるからな」
「……堂々とそう言う事を言えるのね」
「まあ、フローラだしな」
そうグレンが言うと、フローラは「嬉しいけど、もう少し隠しても良いわよ」と言った。
「でも良かったわ、うまく行ってるようで、仕事に忙しくて仲が拗れた夫婦とかいるから心配していたのよ」
「そこらへんは俺も気を付けてるよ。ちゃんと家では、ニアとの時間も大切にしてるし、休みの日は基本的にニアと過ごしているからな」
「本当に甘々ね……」
フローラは笑みを浮かべながら言うグレンに対して、そう言うとお茶を一口を飲んで「子供とか考えてるの?」と聞いた。
「欲しいとは思ってるけど、そこは運だしな……出来た時の為に色々と準備はしてるよ」
「まだ結婚してまだ半年だものね。そう急ぐ時でも無いわね」
「ああ、出来たらいいなって感じで今は過ごしてるよ。ニアも頑張るとは言ってたけど、狙って出来るもんでもないしな」
「そうね。気負い過ぎないように見てあげないといけないわよ?」
フローラの言葉にグレンは「分かってるよ」と言葉を返し、それからグレン達は仕事を再開して、その日も夜遅くまで仕事を行った。
そして家に帰宅したグレンは、ニアに迎えて貰い一緒に食事をして、一緒にお風呂に入り、一緒のベッドに横になった。
「大分、一緒に寝る事に慣れて来たな」
「うん。結婚して半年だしね~、半年記念でまた旅行に行く?」
「ん~、流石に仕事が忙しいかな? 行けそうになったら、直ぐに伝えるよ」
「楽しみに待ってる」
そうニアは言うと、グレンの首に手を回して抱き着いて頬にキスをした。
そしてグレンもそんなニアの頬にキスをして、今日も二人は仲良く一緒に寝た。
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