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第290話 【結婚式・3】


 式場の中に入ったグレンは、まずその参加者達の姿が目に入った。

 デュレイン王国から来た者、帝国から来た者、そして一緒に悪魔と戦った冒険者達や他にも知り合いが沢山参加していた。

 グレンは彼等の顔を見て、招待に応じてくれた事に心の中で感謝しながら、前へと歩いて進んでいった。

 そしてグレンが入場後、ニアも部屋の中に入って来た。

 これまで特に着飾った事のないニアは、今回の結婚式の為にフローラが一緒に選んだドレス服を着ていた。


「……綺麗だな」


 グレンはそんなニアの姿を見て、そうグレンは口にした。

 それから式場に二人が揃い、結婚式が始まった。

 誓いの言葉を言う二人を目に、フローラとルドガー、そしてブラッド家は大粒の涙を流していた。

 マリアやガリウスは泣いてはいないが、二人共凄く嬉しそうな顔でグレン達の誓いの言葉を聞いていた。

 その後の宴の席では、多くの者がグレンとニアに祝福の言葉を掛けた。

 その光景に再び、フローラ達は涙を流し、グレンはそんなフローラ達を見て「泣きすぎだ」と嬉しそうに注意をしたりしていた。


「……グレン」


「ニア……」


 その日の夜、グレンとニアは同じ部屋に一緒に寝た。


「……大丈夫か、ニア?」


「む、無理……グレン。今日の朝食は我慢して……」


「ああ、分かった。何か必要な物はあるか?」


「お水が欲しい」


 翌日、グレンは平気そうな顔をしていたがニアは辛そうな顔をしていて、そんなニアをグレンは介抱していた。


「ごめんね。折角、結婚した次の日なのにこんな事させちゃって」


「別に良いよ。俺のせいでもあるしな、久しぶりって事で少し張り切りすぎた。ニアが可愛すぎたのがいけない」


「もうっ、私初めてだって言ったのに……でも、凄く聞いていたより辛くなかったよ」


 ニアは笑みを浮かべながらそう言うと、グレンは「よしっ、じゃあ今日のよるも」と言うとニアは軽く否定をしていた。

 そんな二人のやり取りを見ていたフレイナは、グレンにバレないように涙を流していた。


「ねえ、グレン。これからって何かあるの?」


「ん~、まあ結婚式に来ては居たけど、俺の実家に一度挨拶に行くとかかな? まあ、別にそこまで仰々しい風にしなくてもいいと思うけど、俺もよく分からないからな」


「そっか、グレンのお父さんとお母さんに挨拶しないとね」


「一応だけど、もう俺の両親でもあり、ニアの両親でもあるからな」


 そうグレンが言うと、ニアは頬を赤く染め「そうだね」とグレンに言った。


「結婚したら一緒に住むとかあるらしいけど、俺達の場合は元々雇い主と雇われてる者って関係で同じ屋根の下で暮らしてたからな、そこはあんまり変わらないだろうな」


「うん。あっ、でもこれからは一緒の部屋で過ごすから、そこは変わるね」


「ニア……もしかして、誘ってるのか?」


「ち、違うよ! 今日は流石に無理だよ!」


 グレンの言葉にニアは布団を被り、必死の抵抗を行った。

 そんな姿を見て、グレンは笑い「冗談だよ」と言った。


「ニアが嫌な日はしないよ。……でも、ずっとは我慢できないからな?」


「……大丈夫だよ。私も初めてを経験して、グレン君とならいつでもしたいって思ってるから」


「……やっぱり、誘ってるよな?」


「違うよ!」


 その後、グレンは一日ニアを介抱してやり、何度かそんな冗談を言って楽しい一日を過ごした。

 それから数日後、グレンは実家である帝国のブラッド家へと訪れた。

 最初にまずグレンは両親と兄に向って挨拶をして、軽く談笑をした後、アリアはニアに渡したい物があるといって別室に連れて行った。 


「……グレン。初夜はちゃんと済ませたのか」


「男だけになって最初の質問がそれって……まあ、したよ。ニアも最初は不安に思ってたみたいだけど、そこまで辛くなかったらしいからな」


 男だけとなり、グレイの質問に対してグレンは呆れながらも質問に答えた。


「そっか、それなら孫を見る日も近そうだな……本当にグレンには色々と迷惑を掛けてしまったが、これからは毎日楽しい生活を送ってほしいと心から願ってるよ」


「俺もそのつもりだよ。それにもし、危険な何かが迫ったとしても俺は全力で守るつもりだよ。それだけの力も持ってるからね」


「ふふっ、流石悪魔を倒した英雄だな」


 グレイはグレンの言葉を聞き、その自信のある態度に笑みを浮かべながら言った。

 その後、男だけというのもありそっち系の話をしていると、ニア達が戻って来てグレン達は一瞬にして話題を切り替えた。


「あれ? ニアその耳飾りは?」


「うん。アリアさんに貰ったの」


「グレンが結婚するって聞いた時から、ニアちゃんに合う物を渡そうと思って準備していた物なのよ。どう凄く似合ってるでしょ?」


「凄く似合ってる。可愛いな」


 グレンはそう本音で言うと、言われたニアは「あ、ありがとう」と少しだけ恥ずかしがりながらそうお礼を言った。

 こうして両親への挨拶は無事に終わり、ニアとグレンはその日はブラッド家に泊る事にした。

 アリアは初めての娘が出来て、嬉しいのか夕食はニアと一緒に楽しそうに作っていた。

 そんな光景を見たグレイは、グラムは「いいな……」と口にした。


「そう言えば、グラム兄さんの方は順調なの? 前に仕事が一旦、落ち着いたから相手探しをするって言って無かった?」


「してはいるんだけど、中々上手く行かないんのが現状だね。良い人は沢山いるんだけど、自分に合う人ってなると中々……」


「まあ、焦った所でいい事はないだろうし、ゆっくり探せばいいと思うぞ。まだグラムも若いんだからな」


「若いって言われても、弟は既に結婚してるから多少の焦りはあるよ……良い出会いは無いかな」


 その日の夕食後、グラムを慰める為にグレンとグレイは夜遅くまでお酒の相手として付き合った。

 そして次の日、仲良く三人共が二日酔いとなっていて、そんな男達に女性陣は少し呆れた視線を送っていた。

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