第283話 【お出かけ・2】
ニアと出掛けると考えたグレンは、まず何処に連れて行くか考えた。
グレンの中で候補となるのは、他国であれば帝国かティアに色々と世話になったと言うのもあり聖国も候補の一つとして挙げた。
そして国内であれば、久しぶりに王都の方に一緒に行くのも有りだなとグレンは考えてたが、本人に聞くのが一番いいと思い。
一緒に考える為、家で待ってるニアの所に戻ろうとグレンは考え、転移で家に帰宅した。
「あれ、もう帰って来たの? 今日は早いね」
「ああ、仕事が無くなってな、それで帰って来たんだ。残りの街作りも職人に任せるから、暇になったんだ」
「そうなんだ? という事は、久しぶりの休日なんだね」
「ああ、今日から少しの間は仕事は無い。それで、ニアに提案なんだがどこに出かけないか?」
そうグレンが言うと、ニアは驚いた顔をして「お出かけ?」と聞き返した。
「ああ、暫くは暇になったからずっと家で留守番してくれてたニアにお礼というか、お詫びというか、まあそんな感じでどこか行こうかなって思ってよ」
「そっか、私は何処でもいいよ? グレンとなら、何処でも楽しめそうだから」
「俺も同じだ。一人で考えようにも、思いつかなくてな。一緒に考えようと思って、戻って来たんだ」
そう言うと、ニアは「ん~」と悩み始めた。
ニアはグレンと同じく、久しぶりに王都に行くのもいいし、生まれ故郷の帝国に行くのも良いねと言った。
「全く同じ考えだな」
「まあ、でもお出かけって言うと近くだとそこ位だよね? 後は、ティアさんの国の聖国とか?」
全て考えが丸被りしたグレンは、笑みを浮かべ「そこも考えたよ」と言って、ニアも「考えが同じだね」と一緒に笑った。
そんな二人の惚れ気話を聞いていたフレイナは、ある提案をした。
「妖精界に来るのはどうかしら? ニアちゃんなら、妖精界に連れてきても問題ないわよ」
「……確かに、妖精界にはまだニアは連れて行ったことが無いな」
「えっ、妖精界って妖精だけが住んでる世界だよね? 私が行けるの?」
グレンはフレイナの提案に名案だと反応すると、ニアは驚いた顔をしてそう言った。
「ああ、いけるよ。というか、フレイナが許可さえ出せば誰でも入れると思う」
「まあ、確かにそうね。今まで妖精界に入ったのは、グレンだけだけどね。ニアちゃんは二番目って事になるわね」
「ただのお出かけが、なんだかすごい事になっちゃった……でも、良いの本当に私が行っても?」
「ええ、グレンのお嫁さんだし、この子達もニアちゃんの事は気に入ってるから大丈夫よ。勿論、私もニアちゃんの事は気に入ってるしね」
そうフレイナが言うと、妖精達は「ニアちゃん歓迎だよ~」とニアの周りを飛び回っていた。
それから俺は、本格的に妖精界に行く為に準備を始めた。
まず最初に俺はフローラの所に戻り、妖精界に行く事を伝えてに言った。
「妖精界にお出かけね……お出かけのスケールがグレンは違うわね」
「今回だけだよ。取り合えず、予定では二泊三日かなとは考えるけど、大丈夫か?」
「ええ、何なら一週間くらい泊って来ても良いわよ?」
そんなフローラの冗談に対して、グレンは「まあ、居心地がよかったら、そうなるかもな」と返してフローラの所から別の場所に向かった。
次に来たのは、デュレイン王国の王城へとやって来た。
「妖精界にお出かけね。うん、分かったわ。暫くはグレン君と連絡が取れないのね」
「はい。一応、新しく街を作ってる方にフローラが居るので、もし領土の事で何かありましたらフローラに連絡を入れておいてください」
「ふふっ、休みの間位は仕事の事は考えなくても良いわよ? それにグレン君の領土は上手くいってるから、私からの連絡って言っても遊びに行っていいかの許可取り位だもの」
王妃はそう笑いながら言い、話を聞いていたキャロルが「妖精界、いいにゃね~。私も行ってみたいにゃ」と言った。
「うん、無理だな」
「にゃ!? 即答は酷いにゃ」
「当たり前だ。フレイナが許可出しても、俺が拒否をする」
その後、キャロルとちょっとした喧嘩をして、王城から家へと戻って来たグレンは、家に呼んでいたガリウス達にも出かける事を伝えた。
「街の安全は俺達が居るから安心して休んで来い」
「そっか、妖精界にお出かけね。グレンは最近ずっと頑張ってたし、ゆっくりと休んでくると良いよ」
「休みの間、領地の事は私達に任せてください」
「ゆっくり休んでくると良いわ。お土産は妖精界にしかない植物とかだと、有難いわね」
メリアはちゃっかりと、妖精界の素材をお土産に指定すると、グレンは「妖精達が許可してくれたらな」と言葉を返した。
その後、ブラッド家にも伝えに行くと、アリアから「孫の顔はなるべく早く見たいわね」と言われた。
その言葉を言われたグレンは、顔を赤くして伝える事は伝えたと言って家に帰宅したのだった。
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