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第270話 【これからについて・1】


 リシアナへの報告を終えたグレンは翌日の予定を全てキャンセルして、ニアと家で今後について話し合う事にした。

 話し合いには色々な意見を聞く為に、人生の先輩でもあるフローラとルドガー、そしてガリウスの三名に同席してもらう事にグレンはした。


「……まず、グレンが結婚するって事に驚きなんだが」


「同じく、なんだかんだ結婚はしないと思ってたのに……まさかこんな早いとは思わなかったぞ」


 ガリウスとルドガーはグレンが結婚する事を知って、同じようなリアクションをした。

 フローラは二人みたいに驚く様子はなく、流石フローラだなとグレンは思って顔を見ると、フローラは静かに涙を流していた。

 それからグレンは三人が落ち着くまで話は出来ないと思い、一先ず落ち着くまで待つ事にした。


「ってか、相手がニアってお前等そんな関係だったのか?」


 10分程が経ち、ようやく落ち着いた三人はニアとグレンの関係がいつからあったのかを聞いた。


「いや、そもそも自分達の気持ちに気付いたのは結婚の話をされてからだな。それまでは普通の関係だった」


「……ああ、まあ俺もそんな感じで見てたけどよ。まさか、お互いに自分達の気持ちに気付いて、直ぐに結婚するかってなったのか?」


「そういう話が来てたってのもあるけど、一緒に暮らしてる期間も長いし別に今更恋人関係からやらなくてもいいんじゃないかって思ってな」


「確かに随分と長い間一緒に暮らしてるもんな……」


 ガリウスはグレンの言葉を聞いて納得すると、話を聞いていたルドガーが「式とかは決めてるのか?」と聞いた。


「いや、まだそこまでは決めてない。取り敢えず、結婚するって決めて両親と国に報告をしたって感じだな。ただまあ、ニアの事を考えると式は挙げない方がいいかも知れないとは思ってる」


「えっ、私の事考えたら何でしない方がいいの?」


 グレン達の話を聞いていたニアは、グレンの言葉に首を傾げながらそう言った。


「多分だが、俺が結婚式を挙げるってなるとそこそこ有名な奴が来る事は間違いないし、そのせいで色々と注目されると思うぞ? 俺の予想の中では、昨日の様子からリシアナ様は絶対に参加しようとするしな」


「あっ……で、でもそこは頑張るよ? 式の間位は視線も我慢できると思う……」


 グレンの話を聞いて頭の中で光景を思い浮かべたニアは、不安そうな顔をしながらそう言った。

 ニアは人見知りな為、あまり大勢の集まりなどは極力避けている。

 それを知ってるグレンは、ニアに負担になると思い式はあげない方がよさそうだと考えている。


「嫁に我慢させるような式をあげる訳にも行かないだろ? まあ、ニアがやりたいって思うんなら俺が徹底的に人を選んで静かにやる事も考えるよ」


「その時は俺達の事は誘ってくれるのか?」


「心配しなくても、ガリウス達は呼ぶ候補に絶対に入ってるよ」


 そうグレンが言うと、ガリウスとルドガーは笑みを浮かべて「ありがとな」と言った。


「それでフローラ。お前、ずっと黙ってるけど今日はこのまま話に参加しないのか?」


「もう少し時間くれてもいいじゃない……あのグレンが結婚なんて、色々と知ってるこっち側からすると驚きもあるけど、嬉しさもあるんだから」


 フローラのその言い分に対して、ガリウス達は「まあ、確かにな」と頷きながらそう言った。


「仲間も友人も居なかった当時のグレンを知ってる身からすると、結婚なんて嬉しい報告を聞くとは思わないじゃない」


「まあ……うん、分かったよ。もう少し時間やるから、落ち着いたら話に参加してくれよ」


 泣きながらそう言うフローラに、グレンは押しに負けてもう暫くフローラに時間をやる事にした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「胃袋を掴め」と言うが、また唐突に話が進んでたんだな。 "えっ、ニアって子ども扱いじゃなかったのか。こいつやっぱりロリコンだったか...あ~胃袋を橋頭保に内から攻略済みだったのか"って過去…
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