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第263話 【ヴァルティアの発展・1】


 グレンがヴァルティアを作り上げて、一ヵ月が経った。

 当初、各地から集まって来た者達の対応に追われたグレン達だったが、王国から派遣された兵士や文官達の助けもあり、無事に乗り越える事が出来た。

 グレンが作った街というだけでも知名度はかなりあったのだが、それに加えて各地に散らばっていた有名な冒険者も集まって来て更に住民が増えてしまい。

 その様子を見ていたフローラから、「予想以上ね」と驚かれていた。


「ようやく落ち着いたな……助かったよ。フローラが居なかったら、多分今も人の対応に追われてたと思う」


 一旦、色々と落ち着いたグレンは定期報告会の為、フローラの商会に来てお礼を伝えた。


「その為にグレンの所に来たんだから当然よ。それに私も色々と融通してもらったしね」


 フローラの商会ルナーバ商会の為に、グレンは商業区に専用の大きな商会の建物を建てた。

 更にフローラが新しい事業として宿も経営すると話していたのを覚えていたグレンは、大きな宿もフローラに無償で提供した。

 それは今までのお礼も含まれているが、今回の街の対応に貢献してくれた礼のつもりでグレンは用意したのだ。


「まあ、ルナーバ商会とは長い付き合いだからな、この位しても他の商会に難癖つけられる筋合いは無い。嫌ならこの街から出て行けばいいからな」


「グレンと敵対しようと思う人は今の人間界には居ないと思うから、それを言われたら黙るしかないわよね」


 実際に文句を言う者達は居たが、その者達に対してグレンがそう言うと一瞬にして文句を言う者達は消えた。

 それだけ今のグレンには、権力も力もあるという事だろう。


「そう言えば、グレンの両親にも会ったわよ。良い人達そうだったわ」


「そういや父さん達、街が完成して俺が両親の為に用意した家に早速遊びに来てたな」


「その時、ルドガーと一緒に行ったんだけど二人からグレンの面影を感じて、親子なんだなって感じたわ」


 グレンの両親にグレンは、これまで一緒に過ごせなかった分、この街に両親が使う為の家を用意した。

 それを聞いたグレイ達はその報告を受けた週にこの街に遊びに来て、一緒にグラムも遊びに来ていた。

 グラムはグレンが作った街を見て、帝都での練習が活かされるのに気づいて「これ全部、グレン達が作ったのか?」と驚いていた。


「そういや思いだしたけど、ガリウス達の仕事もようやく落ち着かせる事が出来るから、今度お礼に言いに行かなきゃな……街に来てから、ずっと街の警備をしてくれたのはあいつらだからな」


「そうね。ガリウス達がいなかったら、いざこざも起きてたでしょうね」


 街が出来て最初の一週間は特に人の出入りが激しく、ガリウス達の手助けが無かったら問題が起きていただろう。

 人の整理を行い、犯罪者が居ないか、どういった理由で住もうとしてるのかをガリウス達は行い。

 そのおかげで面倒な仕事が無くなって、後になってグレンはガリウス達の働きに物凄く感謝した。


「お礼に言いに行ったら、確実に訓練をしてくださいって頼まれそうだから、ちゃんと落ち着くまではまだ行けそうにないけどな……」


「ふふっ、グレンが数少ない困る相手だものね……そう言えば、その困る相手筆頭のキャロルもこっちに来てるって聞いたけど、私はまだ一回も会ってないけどどうなの?」


「追い出そうとしても居座ってるよ。王族と一緒に来て、自分は護衛だからって大義名分でな……ったく、リシアナ様も態々あいつを選んでこなくても良いのによ」


 キャロルは一人で来たら確実に追い出されると予想していたのか、グレンの数少ない上の地位の人間である王族と共に街に来た。

 流石のグレンも王族の護衛であるキャロルを無理に追い出す事も出来ず、結局街の中に入れてここ最近は家に突撃されている。


「アーノルドがなんとかキャロルを護衛だからと言って捕まえてくれてるから、そこまで頻繁に家に突撃は来ないけど偶に来てるんだよな……」


「ふふっ、大変そうね」


 グレンの辛そうな顔を見て、フローラは笑みを浮かべながらそう言った。

 その後、グレンは話し合いを終わりにして家に帰宅した。

 帰宅後、昼食の時間なのだが今日はニアがクランの方に出向いてる為、作り手がいないなと考えてたグレンは、少し気になっていた飯屋に行く事にした。

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