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第260話 【ルヴィス領・1】


 家族との再会から数日後、グレンは帝都から離れ、とある場所へとやって来ている。

 その場所の名は、ルヴィス領。

 グレンの領地となった場所だ。

 今日来たのは王国からグレンの元に、「そろそろ、一度くらいは領土を見たらどう?」とフローラからの手紙が届き、グレンも確かになと思いやって来た。


「意外と早く着いたな」


 この街には来たことが無いグレンは、妖精界で通じる森からこの街まで移動して、思っていたほど遠く無かったなと思いそう口にした。


「そうみたいね。それでグレンはこの街をどうするの? やっぱり、帝都みたいに全部作り直すのかしら?」


「それも考えたが、まずは街を見てから決めようと思う」


 そうグレンは言うと、グレンの領土の中でも一番栄えていると聞いた街の中に入った。

 ルヴィス領で一番栄えているこの街の名は、コルノアの街。

 グレンにはこの街の名前の変更権もあったが、グレンはこの名前を聞いて気に入りそのままの街の名を使おうと決めた。


「一番栄えているだけあって、かなり広いし家の作りもちゃんとしてるな」


 作られてから何年も経ってる為、多少ヒビがあったりはするが造り自体はしっかりしている。

 掃除もちゃんとされているのか、道にゴミらしいゴミも無く、匂いも近くに森がある為か空気が澄んでいて、王都より良いなとグレンは評価した。。

 街の外見、雰囲気、諸々の点を見てグレンは中々いい街だなと感じていた。


「帝都は壊れていて、一から作った方が良かったけど、この街にはこの街らしい雰囲気がもう形成されてるみたいだから、無理に作り直す必要はなさそうだな」


 高台に移動したグレンは、街を見ながらそう口にした。

 その言葉にフレイナ達も同意して、無理に作り直す必要はなさそうだとグレンと同じ意見だった。

 そうなると、折角帝都で勉強した家造りが無駄になるなと考えたグレン達は領土を改めて見て、街を作ったら良さそうな場所は無いかフレイナ達と考える事にした。


「う~ん、新しく作られた地図を見てもピンとこないな……これはフローラと話し合って決めた方が良さそうな件だな」


「そうね。これは私達も力になれそうにないわ」


 グレンの言葉にフレイナも自分達の力ではどうしようもないと悟り、グレン達は領土の確認を終えて一度、王都に戻る事を決めた。


「おかえり、グレン」


「んっ、ただいまニア。一応、妖精伝えにこっちの様子を聞いてたが、何か変わった事はあるか?」


「無いよ。まだグレンの話題が続いてるから、外には出ない方がいいくらい?」


 王都の家に戻って来たグレンは、家に居たニアからそう聞いて、もう暫くは王都を自由に歩く事は出来そうにないなと思った。

 そう思ったグレンは、妖精に頼みフローラに今から行く事を伝えて貰い、数分後転移でフローラの居る部屋に移動した。


「……今回は何処にいるかちゃんと知ってたから良いけど、帰って来るの遅くないかしら?」


「そこに関しては妖精達に頼んで説明してただろ、王都の様子から俺はこっちで自由に暮らせそうに無いから帝国に身を潜めていたんだよ」


「身を潜めるね……こんな他国にまで話題になる事をしておいて?」


 フローラはそう言いながら、王都で最近発売された新聞をグレンに見せた。

 そこには表紙にドドンッとグレン映り、帝都の街を一人で完成させたと書かれていた。


「へっ?」


「折角、グレンの話題が落ち着き始めた頃にこれが発売されて、また王都ではグレンはやっぱりすごい人なんだ~って感じで、話題が再熱したのよ」


「マジ?」


「本当よ。ほんと、これを見た時に思ったわ。グレンってやっぱり、どこか抜けてる所があるわねって」


 そうフローラから呆れられながら言われたグレンは、言い返す事が出来ずにただ自分の行いを反省した。

 それから、グレンの説教を終えたフローラは何をしに来たのかグレンに聞いた。


「新しい街候補ね……」


「ああ、さっき俺が住む街のコルノアの街を見て来たんだが、あそこは完成された街で手を加える所が思いつかなかったんだよ。だけどほら、折角帝都で街造りの勉強をしてきたから使ってみたいと思ってな、フローラなら良い感じの場所が分かるんじゃないかと思って聞きに来たんだ」


「そういう事ね……新しい街なら私も考えていたわ、数ヵ国が領土を渡して出来た場所だから、街と街の距離がかなりある所もあるから、そういった所に作ったら商人からも喜ばれると思うの」


 フローラはグレンの言葉を聞くと、前々から考えていた事だった為、資料をテーブルに広げながら話始めた。

 それからグレンはフローラの話を真剣に聞き候補の中から、ブラッド家の領地に少し近くて、他国からのアクセスも出来る場所に街を作ろうと決めた。


「……そこを決めた理由って、帝国に近いからかしら?」


「それもあるけど、この場所の近くは色々と便利だろ? 鉱山も近いし、妖精が暮らしやすい自然もある。それに国の国境から割と近いから、貿易もしやすいと思う」


「うん、ちゃんと話を聞いていたみたいね。私もこの場所が一番おススメしたかった所よ」


 そうフローラは言うと、今後の行動についてグレンと話し合いは続き。

 後日、城に街の提案をしに行く事が決まった。

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