第254話 【帝都でのお手伝い・2】
次の日もグレンは、妖精達と共に仕事を行っている。
主な仕事は綺麗に掃除されてる所に、新たな家を建てるという本来なら、大工がするような仕事をグレンは魔法でやってしまっていた。
「うむ、昨日より大分早く進めてるな」
「昨日は色々と考えてたから遅くなったけど、今日はもう同じ事の繰り返しだもの、そりゃ速いわよ。というか、この子達にもう任せてもいいと思うわよ」
「えっ? いや流石に家をこいつらだけで建てるのは無理でしょ」
そうグレンが言うと、フレイナは「この子達の事、甘く見ない方がいいわよ?」と言って妖精達に指示を出した。
すると、妖精達はワイワイと楽しそうに飛んでいくと、それぞれがグレンと同じ様な家を作り始めた。
それを見たグレンは「……」と何も言えず、驚き固まっている。
「魔法と言えば妖精よ? その事、忘れてたのかしら?」
「忘れては無かったけど、まさか家も普通に建てられるとは思わなかった」
「グレンの魔法の使い方を見て、あの子達も学んだみたいね」
フレイナの言う通り、妖精達は最初グレンの様に魔法で家を建てる事は考えもしなかった。
しかし、グレンの魔法の使い方を見て、そんな使い方もあるんだと驚き、グレンの魔法をよく観察して自分達も使える用にしてしまい。
グレンの褒めてもらうため、フレイナに頼み魔法を披露する場を作ったと後からグレンは聞いた。
それからグレンは家については妖精達に任せ、新たな仕事を探して帝都の中を見回る事にした。
「う~ん、建物を建てる以外は基本的にやる事無さげだな」
「悪魔は力仕事だけやらされてたみたいだから、掃除に関しては完璧みたいね。区画整理とか、やるのはどうかしら?」
「……確かにそれは有りだな、家を無計画に建てたら意味が無いしな、折角何もないなら綺麗に並べて、区画ごとに建物のデザインとかも変えたりしてみるのも面白そうだな」
自分の領地で試す前にここで試そうとグレンは考えると、転移眼でグラム達の所に行き区画についての話し合いを行った。
グラム達もグレンの話を聞いて、まだ先の事と考えていた区画についての話し合い。
ある程度の計画を立てると、グレンは早速道の整備を始めた。
「グレン、これはこの子達に手伝わせないの?」
「折角、見つけた仕事なのに妖精にやらせたら意味ないだろ? それに道の整備が進んだら、妖精達には沢山働いてもらえ予定だから」
そうグレンは言うと、まずは帝都を囲む壁を魔法で建てる事にした。
以前までの壁は既に壊されてるので、更地部分に新しく建てるだけなのでそんなに時間は掛からなかった。
それから帝都の入口から、城の方までをまず道で繋げた。
道はこれまではただの整備された土の道路に石畳だったが、グレンは魔法で綺麗に舗装された道を作り、馬車が通ってもガタガタしない道を作り上げた。
「うん、いい感じだな」
綺麗に舗装された道を眺めたグレンは、それから話し合いで決めた通りに道を作って行き。
昼過ぎ位には、大体の道が出来上がった。
「グレン、早すぎない? まだグレンが来て二日なのに、僕達の働き以上に動いてるよ?」
「ストレス発散も兼ねて動き回ってるからな、まあ気にしなくても良いよ。俺が好きでやってるんだから」
「だとしてもなんだよな……まさかたった半日で、これだけ道の整備が出来て更には家も既に数百軒建てられてるって信じられないよ」
グレンが魔法で道の整備をしてる間、妖精達も張り切って家を建てていた。
最初の方は10数名で一つの家を建てていたが、徐々に慣れると数名で一つの家を担当して作業効率が格段に上がった。
グラムは様子見で妖精達の魔法を見て来たらしく、あの妖精達凄いねと感心したようにグレンに言った。
「俺もグラム兄さんと同じで、妖精達の働きには驚いてるよ。まさか、あんな簡単に家を建てられるようになるとは思ってもいなかったからな」
「妖精は魔法の扱いが上手いって知ってるけど、普通あんな簡単に家を建てられるものなの?」
「いや、フレイナから聞いたけど俺の魔法の使い方をみて、あいつらが自分達なりに考えて使ってるみたいだから、他の妖精は家は建てられないと思う」
そうだよな、とグレンがフレイナに聞くと「ええ、あの子達はグレンに褒めてもらう為に頑張ったのよ」と言い。
その言葉を聞いたグラムは「愛されてるんだね」と笑顔を浮かべて、グレンに言った。
それから昼休憩後、グレンは再び帝都の道を作り続け、たった一日で帝都の道を全て完成させてしまった。
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