第246話 【表彰と褒美・2】
入浴後、朝食をニアに作って貰い食事をしたグレンは、久しぶりに体を動かそうと思い家を出ようとした。
しかし、用意をしていると家の呼び鈴がなりニアが対応をすると、自分に対しての客人だと言われグレンは玄関に向かった。
「……何で、城の兵士さんが居るんですか?」
グレンは家にやって来た兵士に、何をしに来たのか尋ねた。
すると、昨日のパーティーの際に本来渡す予定だった褒美を渡せなかったから、渡す為に城に来て欲しいとグレンは言われた。
「褒美って、昨日のパーティーが褒美じゃないのか?」
「そんな訳無いですよ! 世界を救った方に、お祝いの会だけが褒美なんて他の国から馬鹿にされてしまいますよ!」
「お、おうそうか……」
グレンは褒美はパーティーだろと言うと、兵士は目を開いて違うと反論した。
その後、用意された馬車に乗り、グレンは城へと向かった。
城に着いたグレンは、そのままメイドに連れられ国王と王妃が待つ部屋に向かわされた。
「すまないね。グレン、急に呼び出したりしてしまって」
部屋に入ると、最初に国王がそう謝罪を口にした。
それに対し流石のグレンも愚痴を言いだせず、すんなりと部屋に入った。
「それで一応、兵士からは褒美の受け渡しがあるからって聞いてきましたけど」
「ああ、本当だったら昨日渡す予定だったんだが、酔いつぶれて酷い状況だったから日を改めようと思ったのだ」
「正直、昨日の記憶は殆ど無いんですけど、フレイナから聞いた限りだと相当どんちゃん騒ぎしてたみたいですね」
「ええ、グレン君が起きるまでみんな待ってたせいなのか、やっと出来るってなって止められなかったみたいなのよ」
王妃達の言葉を聞いて、グレンは「それで褒美って何なんですか?」と尋ねた。
「うむ、何を渡せばよいか正直悩みまくった。それで他の国の王にも相談に乗って貰い、グレンへの褒美を決めた」
「……他国の王とも話し合いをするレベルの褒美ですか? 普通に金だけでも良いですよ?」
そう言うグレンに対し、国王はニコリと笑みを浮かべ用意していた褒美を机の上に置くように執事に命じた。
「その袋の中身が金なのか分かりますけど、その横の資料の束はなんですか?」
「此度の成果に〝ルヴィス〟の名、公爵爵位の授与と決めた」
「……はい? ルヴィス? コウシャク?」
グレンは国王が言った言葉を理解できず、カタコトになりつつそう聞き返した。
「そもそも我が国に、グレンの成果に見合う褒美を渡すのはほぼ不可能だ。国の危機を何度も救ってもらい、更には世界まで救った英雄。そんな相手に、どんな物を渡せば見合うのかずっと悩んでいた」
「他国の王達もグレンには世界を救ってもらった礼をしたいけど、世界を救った英雄にどんな物を渡せばいいかで悩んで、その結果グレンには地位を与える事に決めたの」
国王の言葉に続き王妃はそう言うと、机に出した資料の束を手に取りある書類を出した。
そこには各国の国々からグレンへと褒美、隣接してる土地を持つ国からは土地を、土地が隣接してない国からは金を渡すと書かれていた。
「……これ、俺は断れるんですか?」
「勿論、断る事も可能だ。これは我々が決めた事に過ぎん、だがグレンの事を調べて良い土地を選んでおるから目を通してから決めてくれんか?」
国王からそう言われたグレンは、渋々ながらも資料を手に取り自分に渡される土地を見た。
その資料を見ただけでグレンは広大な土地を頂けると直ぐに分かり、どんな所があるのかジックリと見ていった。
各国の王達が英雄に向けて選んだだけあり、鉱山や農村地に最適な場所。
更には数ヵ国と隣接してる為、交易も盛んになりそうだとグレンは資料を見て分かった。
そしてその資料を読み進めて行ったグレンは、ある個所を見て固まった。
「ふふっ、グレンが喜ぶだろうと思って〝効能の良い温泉地〟も付けておいたわよ」
「……本当に俺の事を良く調べたんですね」
王妃の言葉にグレンは呆れながらそう言った。
そして全部に目を通したグレンは、溜息を吐きながら天井を見上げた。
「……取り敢えず、一晩考える時間をください。この場で直ぐに決める事は難しいです」
グレンはそう言って、王妃達から「良い返事を待ってるわ」という言葉を聞いて自宅へと転移で戻った。
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