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第236話 【集合体の悪魔・3】


「——!」


「ちっ、一々煩い奴だ」


 悪魔は攻撃を仕掛ける際、偶に奇声を上げて攻撃をして来ている。

 それに対し、グレンはイラつきながらも対応して距離を取りつつ、戦い続けた。


「グレンの奴、少し押されて無いか?」


「ん~、いやアレは何か作戦があるんじゃない? だって、ほらまだグレンは【最強の魔法剣】を使ってないでしょ」


 心配気味に言ったベルの言葉に、ウォルドレットはグレンの戦いを見てそう言った。

 ウォルドレットの言葉にベルは、戦ってるグレンを確認すると「確かに使って無いな」と言った。


「多分だけど、悪魔の隙を狙ってるんだと思うよ。あの悪魔、タフそうだから一発で決める為にね」


「確かに〝集合体の悪魔〟はそこらの悪魔とは違う奴だからな……だが、いくらグレンだからと言って、一発で倒せられるとは思えないぞ……」


「僕は逆に出来ると思うかな~、根拠は無いけどグレンはやる時はやる奴だからね」


 ウォルドレットはそう言うと、悪魔と激しい戦いをしているグレンを見上げ笑みを浮かべた。

 そんな期待をされてるグレンだが、今現在苦しい表情となっていた。


(グレン、大丈夫? 魔力使い過ぎて、顔色が悪くなって来てるわよ)


(……大丈夫と言いたいが、回復する隙も無い程、魔法を連発して少し頭が痛くなってきたな)


(私達で少し時間稼ぎした方がいいかしら?)


(いや、良い。あいつ等を近づける方が危ないからな……)


 妖精達を気遣いグレンはそうフレイナに言うと、接近してきた悪魔へと魔法を放った。

 グレンの魔法が直撃した悪魔は、一瞬だけ仰け反るが直ぐに体勢を立て直し再びグレンへと攻撃を仕掛けた。


(このクソッ!)


 グレンが目の変化に気が付き、様子を伺うようになってから悪魔は逆に積極的にグレンへと攻撃を仕掛ける様になっていた。

 それも魔法戦だけでもキツイ状態な所に、接近戦まで持ち込んでくるようになって居り、グレンは魔力と体力両方を激しく消耗していた。


「ふぅ~……」


 グレンは一方的な戦いを続けても意味がないと思い、一度距離を取り息を整えた。


(フレイナ、あとどのくらい魔力が残ってる)


(そうね。あの魔法剣を使う事を考慮すると、今のままだと10分も持たないわ)


(……そうか。なら、もう【未来眼】を使っても大丈夫だな)


 自身の魔力量をフレイナに聞き、返答を貰ったグレンは【未来眼】の力を発動させた。

 これまでの戦い、グレンは【転移眼】【感知眼】を主に使って戦闘をしていた。

 【鑑定眼】と【千里眼】に関しては元々先頭向きではない為、使っていなかったが【未来眼】に関しては意図的に使用は少なくしていた。

 その理由、それは未だに完全に使いこなせていないという単純な理由。

 妖精界に居た頃のグレンは、最終的にこの眼の力は使いこなせてはいた。

 しかし、妖精界から戻って来たグレンは悪魔との戦いや、厳しい訓練を乗り越え以前よりも強くなった。

 魔力の増幅は他の眼の力には殆ど関係していないが【未来眼】に関しては影響が強く、この戦いまでに間に合う事が出来なかった。


(グレンの今の【未来眼】の使用時間は丁度10分、それを過ぎたら一時的に視力も失われるわ)


(分かってる)


 心配するフレイナの言葉にグレンはそう言うと、悪魔の目の前に【転移眼】で転移した。

 魔力の力を感知した悪魔は、グレンに向かって魔法を放った。

 しかし、超至近距離にいるのにグレンはその魔法をギリギリで避け、魔法で強化された剣で悪魔を切りつけ、更に魔法で悪魔を吹き飛ばした。


「ここからは、お前の攻撃は無意味だぞ」


 そうグレンは言うと悪魔は奇声を上げ、グレンへと向かって襲い掛かった。

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