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第231話 【激戦・3】

 嫉妬の悪魔の絶命する声。

 それに色欲の悪魔は、激怒して大規模な魔法を発動させた。


「この程度の魔法。簡単に消せるぞ」


 しかし、グレンは色欲の悪魔が放った魔法を軽々しく消し去ってしまった。

 それに対し、色欲の悪魔はギョッと驚いた顔でグレンを見つめた。


「おいおい、もうこれでお終いか? なら、次は俺から行くぞ?」


「ッ!」


 グレンの鋭い視線に、色欲の悪魔は即座に魔法を放った。

 しかし、その魔法はグレンに当たる事は無かった。


「何で当たらないんだよ!」


 色欲の悪魔は、自分以上に恐ろしさを感じるグレンにそう叫んだ。

 そんな悪魔に対して、グレンは何も告げず〝最強の魔法剣〟を発動させた。


「く、来るな!」


 その剣で仲間を目の前で消し去れた色欲の悪魔は、恐ろしさを十分理解しておりグレンを接近させない様に魔法を連発した。

 しかし、それらの魔法をグレンは一振りで消し去り、徐々に悪魔へと近づいて行った。


「くそっ、こんな所で死ぬわけにはいかん!」


 そう叫んだ色欲の悪魔は、広範囲の転移魔法で下で戦っていた悪魔達を強制転移させて肉壁として使った。

 しかしその肉壁は、一瞬にして破られてしまった。


「なっ!?」


「今更、下位の悪魔で俺が止まるはずないだろ」


 グレンがそう言うと、逃げようと背中見せた色欲の悪魔を剣で貫き、グレンはたった数十分で2体の上位悪魔を倒してしまった。


「呆気なかったわね」


「ああ、訓練を頑張った甲斐があったな。フレイナとの協力技があったおかげで、楽に勝てたよ」


 戦闘中、グレンは基本的にフレイナとの連携技しか使ってなかった。

 そのおかげで、グレンは苦戦を強いられることなく、一方的に上位悪魔二体を討伐する事が出来た。

 そして、そんなグレンの戦闘をみていたとある一組が居た。


「なあ、ベル。あいつ、ヤバくない? 何で上位悪魔二体を軽々と相手してるんだ?」


「だから言っただろ、グレンはヤバい奴だって」


 ベルは戦ってる振りをしてくれと頼まれた上位悪魔に、そう呆れた口調でそう言った。


「あの時の戦いを見て、何も感じなかったのか」


「その、確かに危ないとは思ったがここまでとは正直思ってなかった」


「馬鹿だろ、人間がまず俺達を殺す手段を手に入りた段階で仲間になるか、敵対を阻止するのが先だろ、態々殺される可能性がある敵対を選んだお前等の考えが俺には全く理解が出来なかったぜ」


 ベルからそう言われた悪魔は、何も言い返せず黙ってその言葉を聞いた。

 そうして、一体ずつ倒されたのを見届けベルは目の前の悪魔に別れの言葉を告げた。


「じゃあな、お前とは偶に戦って楽しい時もあったが、こうして今は敵として戦ってる。俺を倒せたとしても、お前の力じゃグレンには勝てないだろうから、死んだ後は墓くらいは立ててやるよ」


「そうなる未来しか今は見えないんだが……なあ、今から俺って助かる道無いか? 正直、他の奴等に乗せられて参加してたのはベルも知ってるだろ?」


「まあな、だが俺と違ってお前は多くの人間を殺して来ただろ? 流石にそんな奴を見逃してくれって、グレンには頼めないからな、すまないが安らかに死んでくれ」


 そうベルは言うと、上空からこちらを見ているグレンの視線に気が付き相手の悪魔に深手を負わせた。

 そうしてベルの攻撃に倒れた上位悪魔に、上空から降りて来たグレンは剣を指して、その悪魔を消し去った。


「ベル。さっきの相手、知り合いだったのか?」


「まあ、知り合いと言えば知り合いだな、敵として戦ってたから最後の挨拶をしていただけだ」


「そうか」


 グレンはそれ以上の事は追及せず、ベルの所から離れウォルドレットの方へと歩いて行った。


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