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第230話 【激戦・2】


 事前にこうなると予想していたグレンは、直ぐに指示を出した。

 上位悪魔4体をグレンが2体、ウォルドレットとベルが1体ずつ受け持つ事にした。


「グレン、本当に二体任せて大丈夫なのか?」


「大丈夫だ。俺には強い相棒が居るからな」


 グレンはそう言いながら、フレイナの方を見て笑みを浮かべた。


「そうだね。グレンには妖精さんが付いてるし大丈夫だね。心配するなら、僕達の方だよベル。さっきの戦いで使った魔力、完全に戻ってないからね」


「……そうだな、グレンの心配はしなくてもよさそうみたいだから、自分達の事だけを考えるか」


 ウォルドレットとベルはそう言うと、グレンは部隊の者達に「死ぬな、それだけ守れ」と言って戦闘が始まった。

 最初、上位悪魔4体は下位の悪魔だけでグレン達を抑えようとした。

 だがグレン、ウォルドレット、ベルの三名が強い魔力を発して、自分達に襲い掛かってきた事で数秒対応が遅れてしまった。

 そのおかげで作戦通り、グレンが2体の上位悪魔を他の悪魔達から離す事に成功した。


「馬鹿で助かったよ」


「ぐっ、貴様ッ!」


「人間風情が!」


 ベルの話から聞いた容姿から察して、グレンは自分が相手している悪魔が〝嫉妬、色欲〟の二体だと頭の中で考えていた。 

 そしてその二体の戦闘スタイルを思いだし、フレイナと脳内で作戦を立てていた。


(ベルの話だと嫉妬の悪魔が面倒な弱体化魔法で、色欲の方が範囲魔法が得意って言ってたな)


(そうね。範囲魔法は避けられると思うけど、弱体化の方は面倒ね。先に倒すなら、嫉妬の悪魔の方が先ね)


 そう作戦を立てたグレン達は、まず面倒な弱体化魔法を使う嫉妬の悪魔を倒す事に決めた。


「こいつ、僕らを倒すつもりだよ」


「ふんっ、私達に勝つつもり? 馬鹿を倒して調子に乗ってるのね」


 自分達を睨むグレンに対し、苛立った悪魔達はそう言うと同時に動いた。

 グレンはベルから、この二体は他の上位悪魔とは違い連携をとり、いつも二体で行動をしていると聞いていた。

 その為、先の二体を選ぶ時、別の悪魔を引っ張りだそうとグレンは思っていた。

 しかし、その作戦は失敗してしまい、結局この面倒な二体をグレンは連れて来てしまった。


「フレイナ、行くぞ」


「ええ、いつでも良いわよ」


 先に動いた二体の悪魔達から視線を話さず、グレンはそうフレイナに声を掛けグレン達も動いた。

 まず最初に嫉妬の悪魔が、グレンに弱体化魔法を放った。

 〝妖精眼〟のおかげで本来、見えない筈のその魔法の魔力を感じ取れるグレンは、魔法が当たる前に眼の力で回避。

 魔法が当たるだろうと余裕な態度をしていた嫉妬の悪魔に対し、超高速高威力の魔法を放った。


「うぐっ!」


「ッ! 人間ッ! よくやってくれたな!」


 嫉妬の悪魔が攻撃を食らった事に色欲の悪魔は驚き、グレンを憎悪した眼を向けた。

 そして色欲の悪魔はグレンに対し、広範囲高威力の魔法を放って来た。

 しかし、その魔法はグレンに当たる事は無かった。

 グレンは色欲の悪魔が放った魔法に対し、フレイナから力を借りた高威力の魔法を放ち相殺させてしまった。


「なにッ!」


「……この程度か」


 グレンは色欲の悪魔の魔法が思っていたよりも威力が弱かった事に、過大評価していたと認識した。

 そして、未だ苦痛な顔をしている嫉妬の悪魔へ転移して接近した。


「なっ、僕が気付かない程の転移魔法!?」


 嫉妬の悪魔は、自身の感知すら出来ないグレンの転移に驚くと次の瞬間、自身の腹部にグレンの剣が突き刺さったのが目に入った。


「あがっ」


 苦痛の声を上げ、逃げようとした。

 しかし、剣から妙な魔力を感じた嫉妬の悪魔は涙を浮かべ「やめてっ!」と叫んだ。

 だがその言葉にグレンは耳を貸す筈もなく、〝最強の魔法剣〟が宿った剣を抜かず悪魔をこの世から消し去った。


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