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第216話 【決戦前夜・1】


 ベルの事を放置する事にしたグレン達は、それから明日の戦いの為に装備の確認等を始めた。

 大体の荷物はグレンが異空間へとしまっていたので、一度全ての荷物を取り出し総出で荷物を確認作業を行っていた。


「グレンさん、これってガリウスさんのじゃないですか?」


「……あいつ、自分の装備を忘れるってシルバーナイツとしてどうなんだよ」


 メンバーが持ってきた銀色の小手を見て、グレンはそう呆れた顔でそう言った。


「フレイナ、悪いがあいつの所に届けてやってくれるか?」


「良いわよ」


 自分も作業をしているグレンは、フレイナにおつかいを頼み再び作業を再開した。

 その後もいくつか、一緒に動いていたメンバーの忘れ物を発見して、その度に妖精達に持ち主へと届けて貰い。

 持ち主とグレンは、妖精達に感謝をした。


「しかし、皆忘れ物が酷いね。やっぱり、緊張してるからかな?」


「そうだろうな、ここまで大きい戦いは無かっただろうしな」


「確かに、ここ最近は近くで戦争も起きてないし、大規模依頼もここ数年は無かったみたいだから、皆なんだかんだ緊張してたんだろうね」


 従魔達の毛並みを櫛でときながら、ウォルドレットはそう言った。


「ウォルドレットはどうなんだ? 王都から離れてる間、違うところで大規模依頼とか受けてたのか?」


「う~ん、僕は基本的に旅費が溜まったら違うところに行ってたから、そんな大規模ない依頼は受けてないよ。それにあんまり人里に居たら、僕の従魔達を見て驚くからね」


 ウォルドレットはそう言うと、自分の従魔達へ顔を向けて笑みを浮かべた。

 今回の戦いにウォルドレットは、戦闘で活躍する従魔達を数匹連れて来ている。

 その中にはウルフ種やオーガ種といった比較的、冒険者であれば出会った事のある種族も居る中、異質な従魔も居た。


「確かにワイバーンとグリフォンは流石に見慣れてないと、騒動が起きそうだしな……」


「グルル~」


「グァ~」


 グレンの言葉に指摘された従魔達は、擦り寄るような声で鳴いた。


「グレン、この子達は繊細なんだから、そんな事を面と向かって言っちゃ駄目だよ。バルパー、グリー、大丈夫だよ~」


「ワイバーンとグリフォンが繊細って……そのすまんな、俺はお前らの事は好きだぞ」


 ウォルドレットに注意されたグレンは、自分の失言に気付きそう謝罪の言葉を口にした。

 グレンから謝られたワイバーン達は仲直りの証明として、グレンの頭へ自分達の頭を近づけグレンはワイバーン達の頭を撫でてやった。


「この子達、本当にグレンには懐いてるんだよね。他の冒険者には、絶対触らせないのに」


「そうなのか? でもニアとは遊んでたぞ?」


「餌をくれる人って認識してるからだと思うよ。それにニアちゃんの料理は特別美味しいからね」


「あ~、こいつら体に見合った量の飯を食べるからな、ニアも作り甲斐があるって言ってたな」


 グレン達がニアの名前を出すと、ワイバーン達は腹を大きく鳴らした。


「……ニアちゃんの名前出しただけで、このありさまだからね。ニアちゃんの料理を食べてから、この子達前より食べるようになったよ」


「食費だけで一日金貨が消えるって昔言ってたが、今はもっとヤバいんじゃないか?」


「まあね……従魔は僕の家族だから、一緒に頑張って稼いでるけど偶に食費でお金が尽きる時があるからね。今もちょっとヤバいから、悪魔との戦いが終わったら一度お金集めの為に依頼を頑張らないとな……」


 ウォルドレットは、気力ない声でそう呟いた。

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