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第215話 【帝都へ・4】


 その後、グラムをおちょくったグレン達は、兵士達が用意してくれた夕食を食べる事にした。

 食後、簡易風呂で汚れを流したグレンはテントに入り眠りについた。

 そして翌日、ここから更に部隊が別れる為、離れるメンバー達と話をしてグレン達は馬車に乗った。


「王国を出た時は、沢山居たけど結構少なくなったね」


「悪魔を一匹も逃がさない為に王妃様が睡眠も削って考えた作戦らしいからな、戦力の割合も帝都襲撃組以外は固まらないようにしたって言ってたな」


「そうにゃ。元々王妃様はそういった作戦とか考えるのが得意な人にゃけど、今回は本当に悩んでたにゃ」


 そうキャロルが言うと、グラムは「えっ、そうなの?」と聞いた。


「学園生の頃は、そういった分野の勉強してたらしいにゃ。それで王妃様に何でそんな勉強してたにゃ? って聞いたら、近くに帝国が居るから、いつ戦争が起こるか分からないから勉強してたって言ってたにゃ」


「……まあ、昔の帝国はそれこそ色んな所に喧嘩売ってたしね。悪魔に乗っ取られて良かったのは、戦争をしなくなった事位かな」


 キャロルの言葉にグラムがそう言うと、皇子であるウィルドは居たたまれない気持ちで少し苦しそうな表情をしていた。


「ウィルドどうした?」


「いや~、自分の家族のせいで他国に迷惑掛けてたって直に聞くとね……」


「まあ、でもウィルド自体関係無いとは俺は思ってるぞ? そもそも幼少期からずっと悪魔に乗っ取られてた訳だしな」


 そうグレンが言うと、ウィルドは「でも血は繋がってるからね」と苦笑しながらそう言った。

 それから数日後、遂にグレン達は帝都のすぐ近くまでたどり着いた。


「いよいよだね。グレン」


「ああ、そうだなウォルドレット。お前、緊張とかしてないか?」


「大丈夫だよ。グレンと一緒に戦えるって考えたら、そんな緊張とかより楽しみが勝ってるよ」


 そう笑みを浮かべながら言ったウォルドレットに、グレンは「お前らしいな」と言った。


「んで、逆に何でお前が緊張してるんだ。ベル?」


「し、仕方ねぇだろ……オレ様、普段は戦いとかしないからよ」


 中身がベルのグラムの体は、少しビクビクとしながらそう言った。


「一応、ベルも俺達に一緒について来て戦うんだからシッカリしてくれよ……」


「あ、明日までには何とかするさ……」


「マジで頼むぞ……」


 ベルのそんな姿を見たグレンは、呆れた口調でベルにそう言った。


「ベル。何で、そんなに緊張してるの? 貴方は上位悪魔の一人なんでしょ?」


「今言っただろ、オレ様は普段から戦闘しないから、怖いんだよ。人間相手なら、そりゃ大丈夫だし下位の悪魔なら、力で勝ってるからいいけどよ。オレ様と同じ上位悪魔、あいつらとやるってなったら話は別だ……」


 あまりにもベルの様子がおかしいからか、悪魔を嫌うフレイナが心配して声を掛けるとベルはそう言葉を返した。

 取り敢えず、本人が明日になればと言ってるので、グレン達はその言葉を信じて明日の準備を進める事にした。

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