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第214話 【帝都へ・3】


 ブラッド家兄弟のおかしさにウィルドが呆れていると、キャロルがそんな3人の元へと寄って来た。


「グレン君、帝都も大分近い所まで来たにゃけど、魔力感知で上位悪魔が6体ちゃんと居るか確認出来たかにゃ?」


「ああ、しっかり6体分感知してる。ベルにも確認取らせて、そいつらがベル以外の上位悪魔って事も確認済みだ」


「了解にゃ。だとしたら、作戦通りで良さそうにゃね」


 キャロルはグレンから報告を聞くと、タタタッと去って行った。


「グレン、もう帝都まですぐそこまで来てるけど緊張とかしてない? なんか物凄く、落ち着いてるから」


「ん~、特にしてないかな? 正直、自分がここまで落ち着いてるの自分でもよく分かってないけどね」


 そうグレンが言うと、グラムは「無理してそうには見えないし、本当に大丈夫なんだろうね」とグレンの顔をよくみてそう言った。


「まあ、今は気持ちも落ち着いてるし、自分で無理してそうだと思って無いな。フレイナ、お前からみてどう思う?」


「訓練してた時は、焦りとか気持ちのブレが激しかったけど、今のグレンは、いつも以上に落ち着いているわね」


 フレイナにそう言われたグレンは、「フレイナがこう言ってるし、大丈夫だと思うぞ」とグラムに言った。


「まあ、妖精の長がこう言うなら大丈夫だと思うけど……」


「グラムって本当に弟想いだね。馬車の中でもずっと、グレンの事を心配してたし」


「そりゃね。生後間もない時期に離れ離れになった弟だから、今までの分の思いが今来てるんだよ」


 ウィルドの茶々に対して、グラムは堂々とそう言い切った。

 そんなグラムの言葉にグレンは「他にも人が居るんだから、そう言う事をここで言うな」と言って、グラムの頭を叩いた。


「グレンが確か17歳だっけ? 17年間会って無かったのに、そんな距離感近いんだね」


「まあ、そこは血の繋がりがあるからじゃないか? 最初は、兄貴だって言われた時はんっ? って思ったけど、王国で一緒に暮らしてて自分と似てる所とかも合って、何となく自分の兄貴何だなって」


「僕の場合、グレンの事を一方的に知ってたから、再会してそれまで抑えていた気持ちが爆発してって感じだね。偶にさっきみたいにグレンに怒られるのも、自分の中で楽しんでる所があるし」


「……グラム兄さん、流石にそれは気持ち悪い」


 怒られるのも楽しんでると言ったグラムに、グレンは本気で嫌そうな顔をしてそう言った。

 流石に言い過ぎたと思ったグラムは、咄嗟に「う、嘘だよ?」と言ったが、その言葉が嘘だとグレンは察して少しだけ後ろに下がった。


「ぐ、グレン?」


「明日の馬車メンバーから、グラム兄さんは外しておくから」


「そんな!? グレン、嘘だよね! さっきのはほら、言葉の綾で」


 グレンの言い渡した判決に対してグラムは、ショックを受け慌てて弁明をした。

 しかし、グレンはグラムの言葉を無視して、ウィルドと一緒にその場を離れた。


「グレン、物凄く楽しそうな顔してるね」


「あんな慌てるグラム兄さんの顔は見た事無いからな、こういう時くらい見ておこうって思ってな」


「結局、仲良しだって事だね」


 慌てるグラムを横目に、ウィルドはそうブラッド家兄弟の仲の良さを再確認した。

 その後、ウィルドは自分もグラムの慌てる姿を楽しむ為、グレンと一緒にグラムを無視した。


「ウィルド? ウィルドも何で一緒に僕の事を無視するの? もしかして、ウィルドもさっきの僕気持ち悪かった? ご、ごめんね?」


 二人から無視されたグラムは、本当に泣きそうな顔をして何故かウィルドに対しても謝罪を始めた。

 流石に可愛そうだと判断したグレンは、グラムに「気持ち悪い事はもう言うなよ」と言って、対して怒ってない事だったがそう許しの言葉をグラムに言った。


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