表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

213/299

第213話 【帝都へ・2】


「でも、僕達と関わるって事は帝国の大貴族と関わる事だから、もしかしたらグレンも巻き込まれる可能性はあるかもね」


「マジ?」


「ッ!」


 グラムのその言葉にグレンは嫌そうな顔をしたのに対し、ウィルドは少し顔に明るさが戻った。


「……悪魔の事が片付いた後、一年位は帝国に近づかない方が良いな」


「それは僕が悲しいかな、騒動が終わったら僕は帝都に戻って処理に追われる日々が来るだろうし、父さん達も付き合うからグレンと会うために王国に行くのは無理だろうし」


「……ああ、そうだ! 俺、転移使えるんだった」


「グレンが来れたとしても僕達は忙しくて、会える時間も少ないだろうな……僕はこうしてグレンと話す時間沢山あったけど、父さん達は無いから悲しむだろうな……」


 グラムの言葉にグレンは、眉間に皺をよせグラムを睨みつけた。


「取り敢えず、最初の一回家族で会って、俺が手伝えそうなら手伝う。俺だって、この騒動のせいで自分の楽しみにしてた温泉旅行とか後回しにしてるんだから」


「そう言ってくれると、僕は思ってたよ。まあでも、出来るだけグレンの力を借りないようには頑張って動くつもりだよ。ただまあ、今の状況から見て僕一人じゃ無理だろうしね」


 グレンの言葉を聞いたグラムは、本当に感謝してる態度でそうグレンに言った。


「ったく、悪魔騒動が起きてから王族にコキ使われまくり何だから俺は……」


「確かにグレン君に頼りがちにゃね」


「ごめんね? 僕ももう少し成長して悪魔に乗っ取られてたら、まだ自分の力でどうにか出来たけど、今の自分じゃ帝国を元に戻す力すらないんだよね」


「それを言われると、何も言えないっての……」


 ウィルドの言葉にグレンは、溜息を吐きつつそう言った。


「と言うか、悪魔騒動を完全に終わらす気で話してるけど、上位悪魔6体と残った下位悪魔の処理があるんだから、あんまし気を抜けないんだぞ?」


「それもそうだね。終わった後の話は、解決してからまた話そうか」


 その後、事件解決後の話は終わりにしたグレン達は別の話題へと変えて、馬車での移動を続けた。

 そうして移動を続けたグレン達は、帝都まで残り一日で着く距離まで近づいた。


「ここまで来ると、流石に悪魔の魔力の圧に苦しそうにしてる奴も居るな……」


 悪魔達が集まったいる帝都に近づくにつれ、悪魔達が放出している魔力が多くなり、悪魔の出す威圧感も増していた。

 元悪魔憑きであるウィルドでさえ、苦しそうな表情をしている。


「グレンは平気そうだね? 僕はベルが憑いてるから平気だけど」


「まあ、この位なら? 今は抑えているし、普段も魔力が外に出ないようにしてるけど、俺もこの程度なら放出する事は出来るからな」


「そう言えば、グレンが人外並みの魔力だって事を忘れてたよ」


 そんなグレン達に、苦しそうな顔をしたウィルドが寄って来た。


「ブラッド家兄弟は何でそんなに平気そうな顔をしてるのか、理解できないよ……」


「自分の魔力のが上だからな」


「僕は上位悪魔が憑いてるから平気ですよ」


 自分の質問にそう返した二人に、ウィルドは呆れた顔を浮かべた。

【作者からのお願い】

 作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら

 下記の評価・ブックマークをお願いします。

 作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版が2021年11月10日に発売予定です!
★★書籍版では書き下ろし外伝「後悔する者たち」を収録しています★★

書影
書籍版の公式ページはこちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ