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第204話 【部隊編成・4】


 クランハウスに転移したグレン達は、そのまま鍛冶場へと向かった。

 鍛冶場にはクランに在籍する鍛冶師達が鍛冶を行っており、その中の一人にドルトムを呼ぶようにグレン達は頼んだ。


「リーダーにグレン、この時間は訓練じゃないのか?」


 鍛冶場の奥の方からそう言いながらドルトムは出て来ると、グレン達と一緒に居るカグラへと視線をやった。


「鍛冶の依頼を頼みたくてな、休憩時間を使って来たんだよ。それでこっちが依頼主のカグラだ。ドルトムも名前は知ってるだろ?」


「まあ、王都で暮らしてて知らん奴は居ないだろう」


 ドルトムはそう言うと、カグラに対して「儂は鍛冶師のドルトムだ」と自己紹介をして、カグラもドルトムに自己紹介をした。


「しかし、何でまた儂に依頼したいんだ? 他にも腕の良い奴は王都にも居るだろうし、あんたくらいになると馴染みの所の方が良いんじゃないか?」


「私、基本的に武器や防具は使い込むタイプで馴染みの鍛冶師とか居ないんです。それなら、私が今まで戦って来た相手の中で一番強いグレンさんと同じ鍛冶師の人の所で作って貰いたいと思い。グレンさん達に頼んで、連れて来てもらったんです」


「成程な……まあ、強い奴と同じ装備にしたがる奴は居るが。それをカグラがするとはな」


 ドルトムは少し笑みを浮かべながらそう言うと、カグラ対して「儂で良ければ作ってやる」と依頼を受け入れてくれた。


「良かったです。あんな気持ちで頼んだので、断られるかもとドキドキしてました」


「確かに他の奴だったら、儂も断るかもしれんが。カグラの装備を儂が作ったと言えば、王都の鍛冶師からは羨ましがられると思ったからの、ガリウスにグレン、そしてカグラ。3人のSランク冒険者を作った鍛冶師なんて、早々いないじゃろ」


「……確かにSランク冒険者の装備を作った事がある鍛冶師は今まで何人か見た事はあるが、複数人のSランク冒険者の装備を同じ奴が作ってるなんて聞いた事が無いな。大抵、そのランクに行くまでに馴染みの鍛冶師が出来たりするもんだからな」


 ドルトムの言葉にガリウスがそう言うと、グレンも「俺も聞いた事無いな」と言った。


「あの適当な感じのウォルドレットでも、馴染みの鍛冶師が居る位だからな。カグラは本当に珍しいタイプの冒険者だな」


「そうなんですか? 自分では特に気にした事はありませんでした」


 首を傾げながらカグラはそう言った。

 その後、カグラの剣を受け取ったドルトムは「本当に大切に使われてたみたいだな」と剣を見ながら言うと、カグラは嬉しそうな顔をした。


「取り敢えず、この剣を素材のベースに作ろうとは思うが。何か他にあるか?」


「そうですね。魔力不可に耐えられる剣にしてほしいです。悪魔との戦いでは、魔法剣を使うと思いますので、また同じように壊れたりしたら嫌なので」


 カグラからの要望を聞いたドルトムは「うむ、分かった」と返事をして、作成の日程を伝えて奥の鍛冶場へと向かった。

 ドルトムを見送ったグレン達は休憩時間も終わりそうな為、長居せず転移で訓練場へと戻った。

 それから数日後、訓練場には新しくなった剣を嬉しそうに使うカグラの姿があった。

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