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第203話 【部隊編成・3】


 その後、ガリウスは話したい事も話し終えたので「また明日な」と言って、家を出て行った。

 ガリウスが居なくなった後、グレン達も解散してそれぞれ自分の部屋へと入って行った。

 部屋に戻ったグレンは、装備の手入れを少しだけして夕食までの時間、本を読んで時間を潰す事にした。

 部隊編成の発表から数日、グレン達はそれまでと同じように出発の日まで訓練を続けていた。


「グレン、どうだ俺の魔法剣?」


「前よりいい感じになってるな、魔力の通りも凄く良くなってるぞ」


 魔法剣部隊の訓練を見ているグレンは、メンバーの一人の魔法剣の成長にそう感心しながら褒めると、ふと自分に近づく人物へと目をやった。


「グレンさん」


「……カグラ。先に言っておくが、模擬戦はしないぞ?」


「ッ! わ、分かってますよ。昨日、断られたのに続けて言う程、馬鹿じゃないですよ」


 先に模擬戦をしないと言ったグレンに対し、カグラは少したじろぎながらそう言った。


「ほう……それじゃ、何だ? 魔法剣の成長でも見て欲しいのか?」


「あっ、それはまた後でやって欲しいですけど、それはと別で頼みたい事が有るんです」


「頼み?」


「はい、その実は昨日訓練が終わった後に、修行も兼ねて訓練用の剣ではなく自分の剣に魔法を付与して魔物を狩りに行ってたんですけど、その時に魔力を流し過ぎてしまったのか剣が折れてしまったんです」


 カグラはそう言うと、折れた剣をグレンに見せた。


「綺麗に折れてるな……結構使い込んだ剣みたいだし、寿命もあったんだろうな」


「はい、長く使っていた剣です。それでその、グレンさんに頼みたい事なんですが。王都の腕の良い鍛冶師を紹介してほしいんです」


「……別に紹介位なら出来るけど、何で俺なんだ? 他にも紹介できる奴は居るし、何なら伯父のヴォルグさんに頼めばよくないか?」


「確かに紹介なら伯父に頼めばしてくれますけど、私は私よりも強い人がどんな所で装備を作ってるのか気になるんです」


 カグラは、真剣な表情でグレンを見つめながらそう言った。


「成程な、そう言う事なら別に良いけど、俺の装備はクランの鍛冶師に頼んで作った物だからな……っと、丁度いい所に来たガリウス!」


「何だ? カグラが居るって事は、模擬戦の審判でもやらされるのか?」


 いつも審判役にされてるガリウスは、そう言いながらグレン達の所へと近づいた。


「審判役で呼んだんだじゃない、大事な話があった呼んだんだ」


「大事な話?」


 グレンの言葉にガリウスはそう言うと、グレンはガリウスに先程の会話の事を伝えた。


「成程な。装備の政策くらいなら別にいいぞ」


「良いんですか? クランの鍛冶師さんって、クランの装備だけを専門に作るって聞いた事がありすまよ?」


「まあ、他は知らないが俺の所はそういった決め事はしてないんだよ。依頼で武具の製作とか偶にやってるし、何なら親しい商会にはクランの鍛冶師が武具を売ってるからな」


 ガリウスはそう言うと、カグラに「剣だけで良いのか? 折角なら、防具一式でもいいぞ?」と聞いた。


「防具の方は、変えたばかりで大丈夫です。剣だけは、愛着が使い続けていたんです」


「剣士はそういった奴が居るからな、俺もどちらかというとそっちタイプだしカグラの気持ち分かるぞ」


 その後、休憩の時間にグレンはカグラとガリウスを連れてクランへと転移した。

 

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