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第201話 【部隊編成・1】


 話し合いから数日後、グレン達は遂に動き始めた。


「結局、この半年近く相手は出てこなかったな」


「そうだね。ベルから聞いたけど、向こうに用心深い悪魔が居るみたいだから、その悪魔が抑えてたんじゃないかって言ってたよ」


「成程ね、悪魔も人みたいに色んな奴がいるみたいだな」


 現在、グレン達は部隊編成の発表を聞く為に王城の会議室へと集まっていた。

 そこにはこれまで〝悪魔対策〟の為に集められた冒険者等、各国から集められた強者や技術者が集まっている。

 話し合いに参加した事のない者も数名交じって居り、本当の最終会議というのがその場に居る者達も理解出来た。


「グレン~、発表まだ~」


 皆が緊張して待ってる中、一人だけ「暇だよ~」と文句を垂れている場違いな男が居た。


「ウォルドレット、暇なのは分かったから黙って待ってろ」


「それさっきも聞いたよ~、もう一時間も待ってるんだよ? 遅いよ~」


「……王妃様も最後まで悩んでるんだろ、人類にとって大切な戦いなんだから少しは我慢しろ」


 そうグレンが言うと、ウォルドレットは頬を膨らませ「はい……」と不満そうにそう言った。

 それから更に少し経ち、ようやく王妃が文官と情報を集めて居た者達と共に入室した。


「皆様、遅れてしまい申し訳ありません」


 王妃はそう謝罪を口にすると、直ぐに文官に手元を拡大する魔道具を起動させた。

 その魔道具によって、王妃の手元にある資料が映し出された。

 その資料には、グレンを含めた魔法剣部隊に加え帝国を囲む結界を張る為、聖女と数名の聖国騎士が部隊のメンバーとして書かれていた。


「むっ、儂はグレンとは別のようじゃな……」


「僕は一緒みたいだね! グレンの魔法剣部隊に無理に入れて貰ってて良かった~」


 近くで一緒に見ていたマーリンとウォルドレットはそれぞれ、自分の持ち場を確認してそれぞれそう口にした。

 その後、他の連絡事項も聞いたグレン達は解散となったので帰宅した。


「グレンは予想通り本隊だったね」


「まあ、ほぼ確定だったと思うしな、ウォルドレットと俺が今回の戦いで主な主力だからな、でもまさかマーリンが別の部隊に組まれるとは思わなかった」


「他の部隊の事を考えたら、もしもの時の為に戦力を一部分散させておいた方がいいって王妃様が言ってたよ」


 主に情報集めをしていたクリスは、王妃がどういった考えで編成したのか知ってる為、グレンの言葉にそう言った。


「まっ、僕はグレンの近くで戦えるだけで十分だけどね~、悪魔との戦いはグレンも本気出すんでしょ?」


「出し惜しみして不利な状況になるのも嫌だから、一応最初から全力でいくつもりだ」


 そうグレンが言うと、ウォルドレットは「楽しみだな~」と遠足に行く子供の様な顔をしてそう言った。

 その後、特に予定も無いグレン達はリビングに集まったまま雑談を続けた。


「そう言えば、グレンって悪魔との戦いに向けて装備を新しくしたりしないの? 他の人は、変えてたけど」


「んっ? ああ、ウォルドレットが王都に戻って来る少し前に全部変えてたから、また新しくするのも勿体無いしなって思って、調整だけしてもらった感じだな。そういうウォルドレットだって、装備新しくしないのか?」


「使い慣れてないと違和感を感じるから、流石に今変えたら戦いに集中出来ないと思って変えなかったよ」


「……お前、意外と装備に拘るやつだったんだな」


 意外なウォルドレットの一面をしったグレンは、目を見開いて驚いた顔をした。


「そんなに驚く? 僕みたいな人多いと思うけどな~」


「まあ、確かに多いとは思うけど、その中にお前が入ってるのが驚いたんだよ」


 そう付け加えてグレンが言うと、ウォルドレットは「僕だって、全部が適当なわけじゃないんだよ」とムスッとした顔でそう言った。


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