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第199話 【戦いに向けて・5】


 それからグレンは部隊の訓練を見つつ、自分の訓練をしたりウォルドレット達の訓練を見たりと戦いへの最終準備を着々と進めて行った。


「ねえ、グレン。ちょっと良いかしら?」


「んっ? 何だフレイナ?」


 話し合いから数日後、夕食を食べ終わり自室に入ったグレンに真剣な表情で話しかけたフレイナ。

 そんなフレイナを見たグレンは、何か大切な話があるんだろうと察して、椅子に座った。


「今、言うとグレンに迷惑が掛かると思って隠してた事があるの」


「隠し事?」


「……その、ほら私が訓練をする為に妖精界に戻ってたでしょ? その時に、獣人国がある大陸で人と契約せずに暮らしてた子が偶々妖精界に戻って来てて」


 フレイナが言うには、自分が訓練してる時に偶々戻って来た妖精達と再会。

 久しぶりにあったフレイナと妖精の子達と話をしていると、自分がグレンと契約している事に妖精子達が気づいた。

 何年も前から気になってた人と契約した長に、妖精の子達は「私達もグレンみたい~」といった。

 そして、契約してる妖精達に交じってグレンと一緒に過ごしていたと、フレイナはグレンに言った。


「……えっ、マジで? 全く気が付かなかったぞ?」


「元々、妖精は隠れるのが上手いのもあるけど、グレンの場合は周りに500も妖精がいて気付くと言う方が難しいと思うわ」


「そうなのか?」


 そうグレンが言うと、フレイナは「ほら、グレンに挨拶しなさい」とフレイナが言うと50程の妖精達が姿を現した。


「いや、10くらいかなと思ってたけど、こんなに居たのか!?」


「えへへ~、私達ずっと妖精界の外で暮らしてたから隠れるの上手いんだ~」


「グレンから一回もバレなかったね~」


 姿を現した妖精達は、自分達が気付かれなかったのを嬉しそうに言った。


「それで、この流れ的にもしかして契約か?」


「ええ、まあそう言う事になるわ。でも安心して、魔力の調整は私と一体化すれば私がするから、魔力が上がった時にしてたあの面倒な調整作業はしなくても大丈夫よ」


「……まあ、別に調整くらいなれたし別にいいけどよ。こんな沢山、一人の人間と契約しても大丈夫なのか?」


「前例がないだけで、別に問題は無いわよ? そもそも、妖精族の長の私で契約してる時点で何も問題無いわ」


 そう言い切ったフレイナを見て、グレンは「まあ、確かにな」と呆れた様子で言った。

 それから、妖精達と契約と魔力の通わせを行い、グレンは眠りについた。

 翌日、いつも通り起きてリビングに行くと、ウォルドレットとグラムがグレンを見て不思議そうな顔をして見つめた。


「何だ?」


「いや、何かグレンの魔力が昨日と比べて異常なまで上がってるから……」


 グラムの言葉にウォルドレットもウンウンと頷き、一緒に居たクリスは「確かに少し昨日と違うな」とグレンを見てそう言った。

 そんな三人にグレンは、別に隠すつもりも無いので昨日の夜の事を伝えた。


「それは凄いね。一気に50の妖精と契約か」


「妖精と契約するだけでも凄いのに、グレンは桁が違うな」


「いいな~、グレン。僕も沢山妖精と契約したいよ!」


 納得する者、驚く者、羨ましく思う者、三者三様の意見を言った。

 それからグレン達は、朝食を食べ訓練場へと向かった。

 悪魔との戦いの日は、もうすぐそこまで来ている。

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