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第191話 【二人目・1】


 ウォルドレットが王都に戻って来てから数日が経ち、グレンはウォルドレットとマーリンと共に迷宮へとやって来ていた。

 当初、ウォルドレットと二人で行く予定だったが、二人で迷宮に行く事をマーリンが知り「儂も行く」と急遽参加する事になった。


「マーリン、部隊の訓練の方は大丈夫なのか? 俺達は休みだから、大丈夫だけどよ」


「大丈夫じゃ、それに儂としてもウォルドレットの力は確認しておきたいからの」


 そうマーリンが言うと、ウォルドレットは「賢者からそう言われるのは、嬉しいな~」と笑みを浮かべながらそう言った。


「所で、こやつらはウォルドレットの従魔かの?」


「そうだよ? 大きい子は出せないけど、この位なら一緒に迷宮で遊べると思ってね」


 ウォルドレットはそう言うと、一緒に歩いていた従魔の頭を撫でた。

 今回一緒に来た従魔は、ウルフ種の魔物とドラゴン種の二匹。

 ウルフ種は、体長2m近くの大きさが馬並みにある魔物。

 逆にドラゴン種は、ウォルドレット頭に乗れるほどの小さな魔物。

 その二匹をグレンは鑑定して、出て来た魔物の名前に呆れた顔をした。


「ウルフ種最強種族のフェンリルに、竜種の中で最も素早い飛行性能のある風竜って……」


 グレンのその言葉にマーリンは、驚きを通り越し呆れた様子で「凄いの~」と言った。

 その後、迷宮の下層に着いたグレン達は、早速ウォルドレットの力を見る為に現れた魔物と戦闘を始めた。


「まあ、俺とマーリンは見学してるから思う存分やってくれ、無いとは思うが危なくなったら手伝うから安心してやってくれ」


「うん、了解。後で、グレンの戦闘も見たいし、疲れない程度でやるね」


 そうウォルドレットは言うと、現れた魔物に対してこの間のグレンとの戦闘時よりも強い魔法を使ったり、魔物との連携技をグレン達へ見せた。


「ウォルドレット、お主前にその使ってる魔法は教えて貰ってないって言って居ったが今もそうかの?」


「うん、本当はちゃんと学んだ方が良いと思うんだけど、魔物探しのが僕としては大切でそこに一緒に行ってくれる人は居なかったから魔法も剣術も一人で覚えたよ」


「ふむ、だとしたら凄いのう……」


 マーリンはウォルドレットの使う魔法技術を見て、感心した様子でそう言った。


「何だ。俺の時は、弟子にしたいと言ってたがウォルドレットはそうしないのか?」


「確かにウォルドレットの魔法の力を見て、弟子にしたいとは思ったが。それと同時にグレン以上に、儂の魔法に修正は難しいと感じたんじゃ」


「え~、そんなに僕の魔法って変わってる?」


「見た目はそんなに変わりないが、魔力の動きが独特じゃな。これは変にアドバイスしない方が良いと思うの」


 マーリンがそう言うと、ウォルドレットは少し残念そうな顔をした。


「折角、一緒の部隊に賢者が居るから教えて欲しかったな~」


「すまんのう。儂も教えて見たかったが、そこまで独特じゃと変に言わない方が良いと思うんじゃ」


 ウォルドレットの言葉にマーリンも申し訳なさそうにそう返すと、そんな二人の会話を聞いていたグレンは「んじゃ、あの魔法だけはどうだ?」と提案した。


「あの魔法って?」


「俺がマーリンの弟子になった理由の一つで、最強の魔法って呼んでる魔法があるんだ。マーリン、ウォルドレットは全属性の使い手だし尚且つ、魔法剣も使える人材だぞ」


「なんじゃと!? さっきの技を見せる時、魔法剣何て使ってなかったぞ?」


 全属性かつ魔法剣が使えると知ったマーリンは、驚いた顔を見てウォルドレットの方を見た。

 先程の技を見せる際、昨日駄目だしをされたばかりだからと使わなかったウォルドレットは、驚くマーリンに対し魔法剣を見せた。


「ほ、本当に使えるようじゃな……属性の方も確認して良いか?」


「うん、良いよ」


 マーリンの言葉にそう返事をしたウォルドレットは、一つ一つ属性魔法を放ち全ての属性が使える事を見せた。

 そうしてウォルドレットが全属性を使え、魔法剣が使えると知ったマーリンはウォルドレットに対し〝最強の魔法〟に挑戦してみないか聞いた。


「最強の魔法か、それグレンが悪魔を倒した技に必要な技何だよね? 僕も使える可能性があるなら、挑戦してみたいかな」


 ウォルドレットは笑みを浮かべ、嬉しそうに言った。

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