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第181話 【賢者の教え・1】


 マーリンを自分の訓練仲間に引き入れたグレンは、迷宮には行かず自宅のとある一室で本を開き勉強会をしていた。

 これまで魔法を実際に戦いながら試し続けていたグレンだったが、マーリンから魔法の力を上げるには知識を上げてからじゃ! と言われた。

 そしてその知識を上げる為、いつもだったら迷宮に行ってる時間に王宮やマーリンの自宅から持ってきた本をグレンは読み続けていた。


「ふぅ~……流石に長時間、本を読み続けると肩が凝るな……」


「そうじゃな、じゃが儂は意外と驚いておるぞ? グレンがこんなに本を普通に読めるなんての、元々本読んでおったのか?」


「お前絶対、見た目で判断してるだろ? 一応、これでも俺は元々本は好きな方だぞ? 教会に住んでた頃は、一人でいる時間のが多くて本とか一人で時間を潰せる物が好きだったからな」


 グレンは見た目からだと本を読んでるイメージは無いが、意外にも本を読むことは好きだと言った。


「そうじゃったのか? それは意外じゃの」


 マーリンは、グレンの言葉にそう返した。

 その後も、グレンはマーリンから渡された本をマーリンの解説を聞きながら読み進めて行った。

 そうして初日は、本を読むだけで一日が終わったが、それなりの成果はあったとグレンは感じていた。

 これまで自分が興味を示した物や流通している本しか読んでこなかったグレンだったが。

 今回、マーリンが用意した本は専門的な内容が書かれてる本で、それらを読む事で今まで無かった新たな魔法の知識を得る事が出来た。


「グレン。今日は一日、本を読んで目が疲れたと思うから、ちゃんと癒してやるんじゃぞ」


「ああ、分かってるよ。それより、明日も今日と同じで本を読むのか?」


「いや、明日は迷宮に行こうと思っておるぞ、儂も忘れていた部分を思いだせたし実際に試しながらやった方が早く身につけられると思うしの」


 そうマーリンから言われたグレンは「了解」と返事をして、今日の勉強会は終わりにした。

 そして翌日、グレンはマーリンを連れて迷宮の下層へとやって来た。


「それでマーリン。今日はどんな事をすればいいんだ?」


「そうじゃな。まずは、儂に悪魔の魔法とやらをどういう感じでやってるのか見せてくれんか?」


 マーリンからそう言われたグレンは、少し距離を取り魔法を発動させた。


「おっ、成功した」


 成功率3割を引けたグレンは、嬉しそうにそう言うと後ろで見ていたマーリンに「どうだ?」と声を掛けた。

 グレンに声を掛けられたマーリンは、グレンの放った魔法の威力の凄さに思考が一瞬止まっており、反応が少し遅れた。


「……あの魔法を普通に使えるようになるのが、グレンの最終目標なんじゃな」


「そう言う事だ。一応、成功は少しするようになったんだが、失敗の方が割合的には多くて実戦では使えないなってのが現状だ」


「成程の、今のは偶々成功を引けたと……」


 マーリンはそう口にすると、グレンの事をジーと見つめ「魔力の違いを見せつけられたの……」と少し悔しそうに呟いた。


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