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第176話 【更なる強さ・1】


 エミリーの部隊加入から数日後、グレンは迷宮の中で魔物相手に訓練をしていた。


「だぁ~! 上手く行かねぇッ!」


 最強の魔法を使った〝最強の魔法剣〟という技を持つグレンだが、もしもそれを対策された時の為に別の攻撃手段を作った方が良いと思い。

 有り余る魔力を何か使えないかと、頭を使い考え試しているが未だに何一つ成功していなかった。


「ねえ、グレン。やっぱり、マーリンと一緒に考えた方が良いんじゃないの?」


「……マーリンも今は部隊の育成で忙しいから、流石に無理だろうって言っただろ? 俺の訓練に付き合うなら、他の迷惑にならない為にこうして迷宮にこないといけないから、俺の付きっ切りになるしよ」


「ちょっとの間だけなら良いんじゃないの? グレンだって、部隊の育成から離れてるんだし」


「俺の方は魔法剣の伝授と魔法剣の成長だけで、魔法剣は既に教え終わって今は一人一人の実力を伸ばす期間だから俺が居なくても大丈夫なんだよ。だけど、マーリンの方は魔法の能力を上げなきゃいけないから、マーリンがいないと駄目なんだよ」


 グレンがそう言うと、フレイナは「そうなのね」と言いグレンと一緒にいい案はないか考え始めた。

 勿論、この新たな力には既にフレイナも力を貸しているが、現時点で〝最強の魔法剣〟に並ぶ技は出ていない。

 その後、結局今日も上手く行かなかったグレンは、夕食時もムスッとした顔をしていた。


「グレン、美味しくない?」


 グレンの顔を見たニアは、自分の料理が不味いのかも知れないと思いそう尋ねた。

 そんなニアに、グレンは「いや、飯は美味しいぞ」と慌ててそう言った。


「なら、何でそんな顔してるの?」


「……実は新しい技を考えてるんだが、上手く行かなくてよ」


 そうグレンが言うと、一緒に食事をしていたグラムが会話に入って来た。


「新しい技って〝最強の魔法剣〟があるのに、なんでまた?」


「グラム兄さんも俺の戦いを帝国で見たって、言ってただろ?」


「うん、そうだね。それがどうしたの?」


「俺の戦いを見たって事は、何かしら対策をとられてる可能性もあるだろ?」


 そうグレンが言うと、グラムはハッとした顔で「確かにその可能性もあるかもね」と言った。


「だから、何とか〝最強の魔法剣〟に並ぶ何かが欲しいんだけど中々思いつかなくてさ……」


「そうなんだ。一回、悪魔目線で話聞いてみる?」


「悪魔目線って、ベルに?」


「うん、一応ベルは上位悪魔だし、今のグレンを見て何かしらアドバイスをくれるかも知れないし」


 グラムはそう言うと、目を閉じて内に居るベルへと話しかけ、表にベルが現れた。


「話聞いてたけどよ。別に技に拘らなくても良いんじゃないか?」


「技に拘らない?」


「ああ、悪魔を屠る時に魔法剣を使えば良いんだから、それまではたただグレンのその強大な魔法でドンパチ戦えばいいとオレ様いいと思うぜ。下っ端悪魔と戦った時から、更に魔力が上がってんだろ? 十分戦えると思うぜ?」


 ベルからそう言われたグレンは、「そんな戦い方、悪魔に通用するのか?」とベルに聞いた。


「通用するも何も、オレ様達も同じ戦い方してるんだぜ? それに悪魔ってのは、一つの属性に縛られてるが、グレンは違うだろ? 属性にも相性があるんだそこを突けば、十分通用するどころか魔法剣と組み合わせれば戦いやすいと思うぜ」


「魔法か……」


「ああ、グレンのその馬鹿みてえに強大な魔力を使えば、悪魔との戦いには通用すると思うぜ? それに、そこにいる妖精の長もグレンの味方なんだろ? そいつが居れば魔力の心配もしなくて良いだろ?」


 そうベルに言われたグレンは暫く考え、ベルの提案通り変に考えずに持ち前の強大な魔力をただ使った戦い方を試そうと決めた。


「なあベル、俺の魔法が通用するか見てくれないか?」


 そうグレンの頼みにベルは「その位なら、良いぜ」と言い、明日の訓練に同行すると約束をした。

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