第157話 【これからの動き・2】
自分の成長に指摘されて気が付いたグレンだったが、何故何もしてないこの数日で成長したのか分からないと言った顔をした。
「ほら、グレン。僕が来た日、怒りで我を失いかけて魔力を暴走させたでしょ? あの時に、また少し魔力が上昇したんじゃないかな?」
そんなグレンにグラムは、思い当たる節としてあの日の出来事を言った。
その言葉にグレンは、確かにあの時自分の中で何かが爆発するような感覚を感じたと思いだした。
「って、それって俺また魔法の調整が必要になったんじゃ……」
悪魔戦以降、自分の魔力に振り回されたグレンは嫌な顔をしてそう言った。
そんなグレンの顔をみて、グラムは「魔力が上がって嫌がる何て、グレンは面白いね」笑いながらそう言った。
「グレンさん、また強くなったんですか?」
「まあ、強くなったというか自分の殻を破ったのが近いのかな? カグラすまん、俺から誘ったけど調整が必要だから、続きは他の人とやってくれるか?」
グレンがそう言うと、カグラは「えっ?」と声を出して呆けた顔をした。
「その調整に付き合いますよ?」
「いや、流石に迷惑だろ?」
付き合うというカグラにグレンはそう断るが、カグラは引く気は一切なかった。
それもその筈、あの一瞬で自分が倒された事はカグラは悔しく感じていた。
魔法剣だけというルールで、不利な状況ではあるがあそこまで圧倒されたのは、これまで人生で一度も無かった。
そんなカグラの意思にグレンは、折れて調整相手としてカグラに頼む事にした。
「それでグレンさん、調整ってどうやるのですか?」
「ああ、一応戦いながら自分の感覚に合わせる感じだよ。調整って言ってるが、単に体に馴染むまで使うんだ」
「成程、でしたら模擬戦を長時間続けるような形でやれば良いですか?」
「それで良いよ。ただ今回は、魔法とかの調整も含めてだから、カグラも魔法剣以外での戦闘をして構わないぞ」
そう言われたカグラは「分かりました」と言って、準備運動を始めた。
グレンの方も調整を始める前に、一度試しに魔法を放ったりしてから調整の為の模擬戦を始めた。
「そんじゃ、まあカグラ。よろしくなッ!」
開始早々、グレンは得意の雷魔法をカグラに向けて放った。
グレンの放った魔法は、本物の〝雷〟以上の轟音と威力で観戦していた者達は耳を塞いだ。
観戦者達がその技に驚く中、カグラは迫って来る魔法に対して落ち着いて回避して、自身の得意とする風魔法を放った。
カグラの放った魔法は流石のSランク冒険者なだけあり、かなり良い魔法を放った。
グレンはその魔法に対して、軽く放った同属性の魔法で打ち消し合った。
初手は互いに魔法での戦いになり、その一連の戦いが終わると同時に魔法剣を発動させた。
「クッ!」
数分前に一度みたおかげで二度目の今回、カグラは何とかグレンの攻撃を防ぐことに成功した。
速さと力。
二つの力が格段に上がっているグレンの攻撃に、カグラは驚くよりも闘志が燃え上がった。
この人を倒したい。
カグラの心の中でそう想いが強くなり、カグラもまた自身の殻を少しずつ破り始めた。
次第に速さが増す、二人の攻防は既に観戦していた者達の目には追えないものとなっていた。
見れていたのはグラムとガリウス、そして数名のSランク級冒険者達だけだった。
「グレンもそうだけど、あの女の子も凄い強いね。キャロルちゃん、あの子一体何者なんだい?」
「にゃは、カグラちゃんは王都冒険者ギルドのギルドマスターの姪にゃ」
「成程、あの人の姪か……それなら、あの強さも納得だね」
グラムはキャロルからの言葉を聞いて意味深に間を溜めてそう言うと、キャロルはその間が気になった。
「グラム君、何か知ってるかにゃ?」
「ふふっ、知ってるけどキャロルちゃんは情報屋でしょ? 自分で調べた方が、これは面白いと思うよ~」
「……にゃは、そうにゃね。カグラちゃんに関して表の情報しかしらにゃいし、ちょっと探るのは面白そうにゃ」
グラムの言葉に、キャロルは笑みを浮かべてそう言った。
その後、グレンとカグラの戦い続き30分後が経った頃、急にカグラの動きが鈍るとペタリとその場に座ってしまった。
「やっぱ、疲れたか?」
「はい、足の限界が来たのは数年振りです。流石、グレンさんですね」
カグラは痙攣してる足を触りながらそう言うと、姿を消していたフレイナが現れカグラの足に手を置いて治療を始めた。
「どう? 足に回復の魔法を掛けたけど、動かせるかしら?」
「んっ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」
治療してくれたフレイナにそうお礼を言ったカグラに、フレイナは「良いわよ。グレンの相手してくれてるもの」と言って再び姿を消した。
回復をしたおかげで、足の痙攣は治まったカグラ。
しかし、完全に体から疲労が消えたわけでは無い為、休憩にしようとグレンは提案した。
【作者からのお願い】
作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら
下記の評価・ブックマークをお願いします。
作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。





